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サッカー フットサル コラム 2020年3月25日

世界的な災厄の中でスポーツが持つ力とは……。ベルガモという北イタリアの小さな街に寄せる心

後藤健生コラム by 後藤 健生
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同じような災厄に見舞われた街があったとしても、名前も聞いたことのないような街だったら、どこか他人事のように思ってしまう。だが、そこに魅力的なサッカー・クラブがあって、そのスタジアムの様子を何度も(画面を通じてであっても)見てきたことがあるとすれば、遠い街での出来事も身近に感じることができる。

日本でも、東日本大震災の時に仙台のユアテックスタジアム仙台が支援物資の集積場として使われ、全国のJリーグクラブやサポーター同士のネットワークが活用されたことがある。サポーターは、応援するクラブを追って現地に足を運び、あるいはアウェーの試合をテレビ等で観戦する。そうした馴染みの町であれば、そこが災厄に見舞われたときには、自分たちの身に引き寄せて心を寄せることができる。

それも、スポーツの持つ力の一つなのだろう。

東京オリンピック・パラリンピックの“1年程度の延期”も決まった。2020大会には、すでに多額の経費が投入されている(組織員会の算出した少なめの試算でも1兆3500億円!)。延期となれば、さらに追加的に数千億円、いやおそらく1兆円近い予算が必要となるだろう。そして、そのツケの大部分が東京都や国に回ってくる。

ムダといえば、じつにムダな経費である。

ただ、これだけの経費をすでに投入してしまったのだから、しっかり成功させる以外に選択肢はないだろう。

世界的なパンデミックという災厄の中で、1年延期されたオリンピック・パラリンピックが正常に開催できれば、世界の人々の記憶の中に日本という国を“良いイメージ”とともに定着させることができるだろう。

大いなるムダの中でのポジティブな側面である。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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