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実際、試合を見ていても上位チームの完成度はかなり高そうだ。
ACLに挑戦した3チームはどこも最高のスタートだった。
これまでACLに挑戦した日本チームは毎年のように開幕直後に苦戦することが多かった。この時期、オーストラリアのチームはシーズン後半に当たるし、韓国や中国のチームはJリーグとほぼ同時開催だが、チームの仕上がりは日本のチームより早い。そのため、日本のクラブは第1節、第2節では結果を出せない……。それがこれまでのACLだった。
ところが、今年は横浜と神戸が勝利し、東京も敵地でのドローと最高のスタートとなった。とくに横浜と東京はアウェーの韓国での試合で相手を圧倒した。決定力不足のせいで東京は1点しかとれなかったため追いつかれてドローに終わり、横浜も取れたはずの3点目、4点目が生まれず、終盤に追い上げられてしまったが、内容的には完勝だった。神戸もホームで格下のジョホール(マレーシア)との対戦だったが、5対1という圧勝。チームの一体感が増し、またイニエスタも絶好調で他のどの選手も真似できないような素晴らしいアシストを披露した。
さらに、川崎フロンターレはACL出場権を逃してルヴァンカップからのスタートとなったものの、昨シーズンよりプレースピードが上がり、ゴールに直結するプレーで清水エスパルスを圧倒し、5対1での勝利を収めた。昨シーズンはゲームをコントロールしながら追加点が奪えずに追いつかれて勝点2を失うような試合が多かったが、今シーズンは勝ち切るサッカーができそうだ。
監督も主力選手もそのまま残ったことで各チームの完成度が高いこと。そして、リーグ戦開幕前に公式戦を戦ってコンディションが上がっていること。この2つの理由から、今シーズンは開幕直後からハイレベルの試合が期待できそうなのである。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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