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また、ラグビーのワールドカップでは各プール3位に入ったチームは、準々決勝進出はできないものの、4年後のワールドカップ出場権を獲得することができる。つまり、予選は戦わず、「ティア1」同士のハイレベルのテストマッチで強化を図ることができるのだ。
この、ラグビーの余りにもあからさまな階級社会の構造に対して、サッカーの方は“悪平等”と言えるシステムだ。
ワールドカップ予選には一応ポット分けはあるものの、すべての国にチャンスがあるという虚構に基づいて設計されており、日本がはるかに格下のモンゴルと試合をしなければならなかったし、イランなどはカンボジア相手に14対0で勝ったようだ。
アジアだけではない。ドイツやスペインも、リヒテンシュタインとか、アンドラといった小国との予選を戦わなければならないのだ。
日本代表がこれからもっと強くなって、ワールドカップで上位進出を狙うためには強い相手との試合を数多く経験するしかない。だが、予選が行われている間はインターナショナルマッチ・ウィークには強豪と戦うことができないのだ。たまたま、2次予選は5カ国のグループなので、試合のない日があり、そこでパラグアイやベネズエラと試合が組めたのだが、最終予選に入ると日程の“空き”はなくなってしまう。
本当なら、2次予選は国内組だけとか、U22代表で戦って、フル代表はヨーロッパのどこかに集合してヨーロッパの強豪国(もしくは強豪クラブ)と親善試合を戦うべきなのだが……。そうすれば、海外組の選手にとっての移動の負担が大幅に減るうえに、強い相手との戦いを経験できる。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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