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札幌HBC杯で135mを飛んで4位となった葛西紀明
そうこうしているうちに、中央ヨーロッパへと移動していたチームメイトの中村直幹(フライングラボラトリー)や、常に礼儀正しい佐藤幸椰(雪印メグミルク)から次々と、いまどうしている?元気かよ~、などと連絡がきた。
「うん、まあまあだね」
「たまには、ひとりも良いものだよ……」
軽そうな口ぶりながらも、葛西さんの言葉どおりやってみようと心は強く持っていた。
真冬の岩手松尾八幡平の山々と似ているな、ここは。白夜で暗いことを除けばだけど。と、クーサモの風景を見ながら、高校時代の師の教えとレジェンドとチームメイトの言葉に徐々に落ち着きを取り戻すことができた。この時があったからこそ、今シーズン当初から目標としていた4ヒルズのタイトルを手中に収めることが可能となったのだ。
明けたクリンゲンタールW杯(ドイツ)において手探りではあったが、2試合欠場のブランクを感じさせず6位入賞、よし、やれると手応えを感じて、翌日に優勝。そしてクリスマス休暇前のエンゲルベルグW杯(スイス)で優勝を飾って完全復活。もう怖いものは何もなくなった。
それに加えてどの大会でも、ジャンプを飛べるうれしさと幸せをかみしめながら、目もと優しくにこやかな表情でスタートを切っていけた。
静かな森の中で、クロカンスキー走で体幹を鍛え、またスキーのセンターにしっかりと乗る基本を思い出して強化、これをエンゲルベルグの余暇に入念に行った。またカーボロディングでパスタ類と少量の塩分を食するというウエイトコントロールを施し、徹底した体調管理をしてみた。
日程変更をものともせずビショフスホーフェンで3連勝を飾った小林陵侑
迎えた4ヒルズトーナメントでは、初戦オーベルスドルフ(ドイツ)で小林陵侑が優勝、続いての2勝目はガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)。ところが夏場のトレーニングで飛び慣れていたインスブルック(オーストリア)が強風で試合延期となったのが痛かった。スケジュール変更されたビショフスホーフェン(オーストリア)の代替え試合で3連勝となったものの、最終ビショフスホーフェンでは疲れ果てて4位に終わり、完全優勝はならずであった。
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