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佐藤慧一
海外勢に目を移してみよう。
強者グラネルとリンビク、髭のヨハンソン、大怪我から見事に復帰してきたタンデ、勇者フォルファンなどを有するノルウェー。新型コロナウイルスにシュトックルヘッドコーチが感染し、急遽、新たなコーチが呼び寄せられる緊急事態が発生した。その影響もあってかスイスシリーズでは一桁入りがままならず。
一方ドイツ勢は主力のガイガーが勝利を重ね、アイゼンビヒラーが最前線へ戻ってきた。さらに、一時代を築いたフロイントと人気選手のベリンガー、ライエにパシュケなどようやく駒が揃ってきた。
注目のオーストリア勢はクラフトが良くも悪くも調整しながら調子を上げてきている状況。そこにフーバーと鋭さがあるホールが台頭、個性派フェットナーもその存在感を打ち出している。
他に若手のセネ・プレフツとザイチ、ラニセクらがリードするスロベニア勢もそろそろ上昇してきそうな勢いだ。
夏好調だったポーランドはいまひとつ元気がない。ついにはストッフが病気離脱して寝込み、クバツキは個別の調整期間に入った。あのキャラが濃いジラの表情にも笑顔がなくなり、チーム代表であるアダム・マリシュが苦悩をにじませている。
W杯で最も注目を集めるといっても過言でないジャンプ週間ではあるが、ドイツシリーズ開幕のオーベルスドルフと2試合目のガルミッシュ・パルテンキルヘンは、残念ながら無観客試合が決定した。
さらにはオーストリアシリーズのインスブルックが当初4,000人までの観客収容予定であったが感染状況の悪化などから無観客試合となり、最終試合ビショフスホーフェンも同様の措置が取られた。
さらに残念なことにW杯個人3戦がスケジューリングされていた札幌大倉山は、前年に引き続いての中止となってしまった。日本のジャンプフリークの皆さんは落胆の色は隠せないだろう。
そうであるならば、なおさら、国内のジャンプファン全員で小林陵侑2度目のジャンプ週間個人総合優勝と4連勝グランドスラムを願い、心を込めて応援していこう。
文・岩瀬 孝文
岩瀬 孝文
ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。
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