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2週間で4種目8レース 怒涛のイタリアシリーズに注目 | アルペンスキー FIS ワールドカップ 2021/22
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHIC圧倒的な強さでホームレースの勝利を飾ったクレモン・ノエル
北米シリーズから再びヨーロッパに戻った男子ワールドカップは、まずはヴァル・ディゼールに上陸。先週末には、ジャイアント・スラローム第2戦とスラローム第1戦が行なわれた。なかなか出番が回ってこなかったスラローマーたちも、ようやくシーズンの開幕を迎えたわけである。
そんなスラローム初戦は、フランスのエース、クレモン・ノエルが2本ともベストタイムという完璧な滑りで圧勝した。少年時代をヴァル・ディゼール・スキークラブで過ごした彼にとっては、ねじくれた急斜面の難コース“ベルヴァルドの壁”も勝手知ったるホームコース。今季は1本目、2本目ともに例年より所要タイムが4~6秒も短い高速スラロームだったが、詰めかけた地元ファンの前で躍動。他を圧倒する異次元の滑りを見せつけ、2位に1秒40という大差をつけて通算9勝目(すべてスラロームで記録)をあげた。
このタイム差にも驚かされたが、2位3位も意外な顔ぶれだった。2位は第2シード、21番スタートのクリストッファー・ヤコブセン(スウェーデン)で、3位はGSスペシャリストのイメージが強いフィリップ・ズブチッチ(クロアチア)。ともにスラロームの自己最高位という成績だった。
スラローム第1戦(ヴァル・ディゼール)の表彰台。予想通りの強さを発揮したクレモン・ノエルはともかく、2位3位は意外な顔ぶれとなった
日本からは、小山陽平(ベネフィット・ワンSC)と加藤聖五(野沢温泉SC)が出場。1本目は小山が34位(+2.43)、加藤が39位(+2.90)と、いずれも2本目へのクオリファイはならなかった。
小山陽平はヴァル・ディゼールのスラロームで1本目34位。クオリファイまであと少しの位置にいるが、まだ足踏みが続いている
2本目へのカットラインはトップと2秒22差なので、惜しいと言えば惜しいのだが、ふたりとも過去2シーズン、これくらいのタイム差でどうしても壁を超えられず、同じ位置での足踏みが続いている。この日は第1シードのなかでマルコ・シュヴァルツ(オーストリア)、アレクシー・パントュロー(フランス)ら計4人が完走しながら2本目に進めないという異常な展開。難しいレースだったことは確かだが、その分チャンスではあったわけで、彼らにとって悔しさの募るレースとなってしまった。
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