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男女ワールドカップ序盤の戦い~鍵を握る北米シリーズ。総合優勝を狙う実力者たち~|アルペンスキー FIS ワールドカップ 2021/22
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHICセルデンのGS開幕戦を制したマルコ・オーダーマット。続くレッヒのパラレルレースは回避した
2021/22シーズンのワールドカップが始まって約1カ月が経過した。この間行なわれたレースは、男子が2大会2レース、女子は3大会4レースのみ。まだまだ序盤で、そこから見えてくるものもほとんどおぼろげだが、それだけに今後が楽しみでもある。本格的に毎週毎週レースが始まる12月に向けて、主な選手の展望について、語っていこう。
まず、男子。セルデンのGS開幕戦を制したのは、スイスのエース、マルコ・オーダーマット。24歳というアルペンレーサーとしての伸び盛りを迎え、現在もっとも勢いのある選手といえるだろう。セルデンの勝利で通算勝利数は5勝となり、そのうち3勝がGSで、2勝がスーパーG。スピードに強い彼は、この2種目だけでなくダウンヒルでも表彰台に上がった経験を持っている。つまり3種目を高いレベルで戦う高速系寄りのオールラウンダーで、昨シーズンすでに総合2位に躍進しているように、ワールドカップの総合優勝も狙える有力なチャンピオン候補だ。ダウンヒル・スーパーGの高速系種目は今週末から始まるが、今季の彼はスラロームを除いた3種目は全レース出場の予定だという。もちろん総合優勝を狙っているからだろう。開幕戦の好調ぶりから見て、今季の彼は昨シーズン以上のポイントをかき集めるに違いない。
そんなオーダーマットに、ディフェンディング・チャンピオンのアレクシー・パントュロー(フランス)はどう立ち向かうのか。もちろん彼の目標も、昨年初めて獲得した総合優勝のタイトル防衛だ。だが、パントュローはGS 開幕戦で5位と振るわず、続くレッヒのパラレルレースは、タイムレース2本勝負で争う予選の2本目で転倒。1本目ではベストタイムをマークしていたものの、1対1で戦う決勝ラウンドに進むことはできなかった。この2大会だけで判断するのはまだ早いだろうが、どちらのレースも今ひとつピリッとせず、ファンにとっては少し心配な状況だ。オーダーマットが高速系寄りのオールラウンダーとすれば、パントュローは技術系寄りのオールラウンダー。GSを最強種目とし、スラロームとスーパーGでも勝つ力を持つのが彼本来の姿。昨シーズンのような安定した強さを、彼がいつ取り戻すのか注目される。その意味で、今週末からレイク・ルイーズ(カナダ)、ビーバー・クリーク(アメリカ)と続く北米シリーズが、シーズン前半の鍵となるだろう。
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