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焦点はパントュローVS.オーダーマットの総合優勝争い。 黄金カップル、キルデ&シフリンの王座復帰なるかにも注目【アルペンスキー FIS ワールドカップ 2021/22 シーズン・プレビュー】
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHIC一昨シーズンの総合チャンピオン、アレクサンダー・オーモット・キルデ。恋人シフリンとのカップル同時総合優勝はなるか?
1980年には、姉ハンニ・ウェンツェルと弟アンドレアス・ウェンツェル(リヒテンシュタイン)がワールドカップ史上唯一の姉弟同時優勝を果たしていますが、もしカップル同時優勝となれば、それに匹敵する快挙といえるだろう。
年齢と潜在能力という点で、もうひとりロイック・メイヤー(スイス)の名前をあげておきたい。オーダーマットと並ぶスイスのヤングガンで、毎年着実に順位を上げてきているスイス期待の星。ワールドカップでの優勝は、まだパラレルレースでの1回しかないものの、スラロームとGSで表彰台に上る力を持ち、さらにスーパーGでも上位入賞の狙える実力を持っている。タイプとしてパントュローと同じタイプのオールラウンダー。25歳という年齢も、今季の成長を予感させるに充分。ダークホースとして、ワールドカップを盛り上げて欲しい選手といえるだろう。
パラレル以外では優勝経験がないが、ロイック・メイヤーも侮りがたい実力を持つダークホースだ。
また、今シーズンの総合優勝を占う隠れたポイントとして、各種目のレース数に注目したい。2021/22シーズンは男女とも高速系が18レース(ダウンヒル11+スーパーG7)、技術系も18レース(GS8+スラローム10)と等しくなったためだ。従来は毎年、高速系の方が少なく、しかも悪天候による中止のリスクも高いため、どうしても、技術系レーサーの方が有利になっていた。しかし、この点が是正されたため、今季は、ほぼイコールコンディション。高速系レースの中止リスクは変わらないとしても、少なくともこれまでの不公平感は解消された。そしてこれはオーダーマットとキルデに有利に作用するのではないかと思われる。
日本選手についてもふれておかなければならない。
昨年は世界選手権GS18位と結果を残した加藤聖五だが、ワールドカップではまだ無得点。まずはその壁を破ることが最初のステップだ。
オープニングレース、セルデン(オーストリア)の男子GS第1戦に出場するのは、加藤聖五(野沢温泉SC)と小山陽平(ベネフィット・ワンSC)の23歳コンビ。男子の技術系種目ではFISポイントランキングが150位以内という規定があるが、日本選手でこのハードルをクリアしているのは、他に石井智也(ゴールドウインSC)のみ。ランキングでは石井のほうが小山より上位にいるものの、加藤、小山のふたりが強化指定選手であるのに対し、石井は国内強化選手、いわゆるウェイティングメンバーという位置づけのため、今回は小山がエントリーされた。ただし、今後の成績次第では、石井がワールドカップ出場のチャンスをつかむことも充分に考えられる。もちろん彼らだけに限らず、日本選手同士の競い合いが激しくなれば、さらにレベルは上がるはず。互いに高め合って、世界の壁を突き破る滑りを見せてほしい。
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