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スキー コラム 2021年4月5日

健闘、小林陵侑は個人総合4位

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ 2020-2021 by 岩瀬 孝文
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シーズン後半戦、復調した小林陵侑。

無観客のオーベルスドルフ世界選手権から、およそ2週の時をあけてプラニツァW杯フライング大会(SLO)が開催された。
そこでは今季すでに11勝を上げていたグラネル(NOR)が個人総合優勝を果たし、表彰台の中央に昇りクリスタルトロフィーを手にした。
その柔らかなジャンプで風を敏感につかみ、とくに空中の後半で柔軟に伸びていく新進の彼らしいスタイルは、ほかの誰も真似ができない飛翔であった。

フライングW杯の試合は第1戦の個人戦、第2戦の団体戦は強風で中止、第3戦は強風のため1本勝負、そして第4戦の前に団体戦が1本勝負で行われた。
ところがタンデ(NOR)が左側からの突風にあおられ、しかも防風ネットを巻きこんだ風を受けて、転倒、ランディングバーンにたたきつけられ、そのまま100m以上を流され落ちてしまった。その後、昏睡からは目覚め、継続し治療にあたっている。

つい昔の岡部孝信選手(現・雪印メグミルク監督)を思い出してしまうもので、あのときも気温が上がり左サイドの林の間から風が吹きつけて転倒、そのまま意識なく滑り落ちてきた。幸い、打ち身と顔が腫れたくらいですんだが、当地に大挙して訪れていた日本人ジャンプファンの『キャー』という悲壮な叫び声に包まれて、あたりが騒然となったのを覚えている。

シーズン前半は苦しんだが、終わってみれば4位。見事な調整力で来シーズンへの期待がもてる結果を収めた小林陵侑。

ここで日本チームは世界選手権直後の休養で元気を取り戻し、調整に成功した小林陵侑(土屋ホーム)が得意とするプラニツァで長躯233.5mと244.5mを飛び抜けて圧勝、W杯19勝目を飾った。そうであれば連勝をと願うのだがやはりいつものごとく乱れ始めたプラニツァの風である。優勝を狙いながらもどこか安全策をとるジャンプで、もちろん今シーズンはそれでよいはずだった。結果は、小林陵の優勝と2位がふたつ、団体戦で2位表彰台へ昇り有終の美を飾った。この厳しい世界状況において今季はそれでもう充分であった。

試合後には、ようやく日本に帰ることができると、ここまで4か月余132日の長い欧州遠征を打ち上げ、チームキャビン前で大瓶のシャンパンボトルをあけて、少しだけ歌い踊ってそれぞれが喜んだ。この様子をポーランドチームのディレクターで名選手だったアダム・マリシュが撮影、FBにアップをして朗らかに彼らの心をねぎらっていた。
これは欧州現地のTVや新聞などのメディアが『日本選手は日本に帰れないで、とてもさみしそうだが頑張っている』とこぞって報道され、欧州中のジャンプファンの人々の同情を呼び起こしていた。
ほんとうに全員がヨーロッパの地でよく耐えたと思う。若き選手たちと帯同したスタッフの皆さんの頑張りと、日本人らしさの奥ゆかしい物腰と静かな行動は素晴らしかった。

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