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アレクシー・パントュローが総合チャンピオン ワールドカップ13年目で、ついに大クリスタル・グローブを獲得
SKI GRAPHIC present’sアルペンスキーコラム by SKI GRAPHICGS最終戦2本目をフィニッシュするアレクシー・パントュロー。このレースで優勝し、追いすがるマルコ・オーダーマットを突き放した
昨年は、わずか54点差でアレクサンダー・オーモット・キルデ(ノルウェー)に及ばなかったパントュロー。新型コロナウイルスの急拡大に伴ってワールドカップが7レースを残して突然終了。逆転の可能性が充分にあっただけに、悲運な2位に終わっていたのだ。だが、今季はダウンヒルとスーパーGのいずれも中止となったため追いかけるオーダーマットの得点チャンスが消滅。同じ準オールラウンダーながら、技術系種目が得意のパントュローに対して、オーダーマットは高速系寄り。仮にこの2レースが行なわれていたとしたら、167点というふたりの得点差はどう転がっていただろうか?
マルコ・オーダーマットにとって、高速系2レースの中止は痛手だった。しかし総合、スーパーG、GSの3部門で2位。堂々たる成績で6年目となるシーズンを終えた
とはいえ、パントュローの初優勝に文句をつける要素はひとつもない。5回の優勝9回の表彰台、そして19回のトップ10入りは、いずれも今季最高の数字。シーズン序盤から飛び出し、つねに総合のタイトル争いをリードし、そして最後まで首位の座を守り抜いた安定感は、総合優勝の大クリスタル・グローブを手にするのにふさわしいものだった。オーダーマットを最後に突き放したGS最終戦での勝利は見事。彼は総合に加えて、GS種目別優勝の小クリスタル・グローブをも獲得したのだ。フランス人の総合優勝は男女を通じて1996/97シーズンのリュック・アルファン以来24年ぶり4人目の快挙である。
一方わずかにタイトルに手が届かなったオーダーマット。シーズン終盤に調子をあげていただけに、2レースの中止は残念だっただろう。それが微妙に影響したのか、GS最終戦は11位と失速。この日の朝の段階では種目別トップにいながら、大事な大事なレースで今季のGSでもっとも悪い順位に終わり、パントュローの逆転を許してしまった。しかし、それでも総合2位、種目別スーパーG2位、同GS2位と、スイスの若きエースとして、堂々たる成績であることは間違いない。今が伸び盛りの23歳。来シーズンの彼がさらにどこまで成長するのか、今から楽しみで仕方がない。
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