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●世界選手権男子MOファイナル1順位(スーパーファイナル進出者)
1ミカエル・キングズベリー(CAN)
2パヴェル・コルマコフ(KAZ)
3ベンジャミン・カベット(FRA)
4ドミトリー・ライヘル(KAZ)
5ニキータ・ノビッキー(RSF)
6ローラン・デュマス(CAN)
ラフォンとキングズベリーはさすがの定位置だが、堀島に限らず上記メンバーに複数のW杯ランキングの上位選手の名前が漏れている点に注目だ。今回の大会斜面はハイスピードを維持して滑るのが難しく、失敗する選手が続出したのだ。一方、W杯が開催されなかった約2ヶ月間、そこで徹底的にトレーニングを積むことができた地元カザフスタン勢は、そのアドバンテージを存分に生かしたといえる。
なお、スミルノワはロシアの選手で、本来なら(RUS)と表記すべきだが、ロシアは過去のオリンピックでの国ぐるみのドーピング問題が影響し、世界選手権には国単位ではなく、「 Russian Ski Federation (ロシアスキー連盟)」としての参加となった。「RSF」というのはその頭文字である。
追撃する新世代を追い落としラフォンがV。4大世界タイトルをすべて獲得の快挙達成
ここからは、スーパーファイナルの流れを追いたい。女子は、今季W杯ディアバレー大会DMで初優勝を果たした16歳のオーエンズ、アンソニー、冨高、スミルノワと4選手連続して、第1エア後のターンでミスがあった。オーエンズは旗門を超えてDNFに。どの選手も勝負をかけてフルアタックすることで、ミドルセクションでコブに負けて破綻するという展開が続いたのだ。残る2選手の時点でトップは79.41点のスミルノワで、アンソニー(77.40点)に続いて冨高は76.45点で3位に残った。
続くラフォンは実力の違いを見せつけた。ミドルセクションでもスピードを出しながらもコブを一つずつ丁寧にクリアしていき、82.11点のハイスコアを獲得。
ギャリシェバ(左)は第2エアのランディングでミスしなければ、ラフォンのグランドスラムを阻んでいたかもしれない
そして、最後に滑るのは2大会連続優勝を狙う地元のギャリシェバだ。今大会は無観客だったが、もし、観客がいれば最も盛り上がる場面だ。彼女は他選手が苦しんだミドルセクションを難なく滑り終えた。しかし、第2エアで十八番であるフロントフリップのランディングでつまり気味になり、減点要素を作ってしまった。得点は79.52点とラフォンに遠く及ばず。
ゴーグルとマスクで表情は分からなかったが、優勝が決まった瞬間、ラフォンは泣いていた。その場にしゃがみこんで感激に浸っていたのだ。それもそのはずで、世界選手権MO優勝は、ラフォンにとって唯一獲っていない世界タイトルだったのだ。五輪金メダル、W杯総合優勝、世界選手権DM優勝に続く今回の栄誉で、ラフォンは、ドナ・ワインブレット(USA)、スティーネ・リサ・ハッテスタッド(NOR)、カーリー・トゥロー(NOR)、ジェニファー・ハイル(CAN)、ハナ・カーニー(USA)に続く女子では史上6人目のグランドスラム達成者となった(トゥローとハイルは、一時期独立したタイトルだったW杯DM総合優勝も果たした5冠王)。なお、冨高は5位に終わった。
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