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その点、堀島はシーズン中に何度か、どうしても100%の力を発揮できない斜面に遭遇する。昨季は予選落ちもあった。ここがキングズベリーとの大きな差だ。11月5日に行われた記者会見では、「ランキング1位を狙いたい」と発言した堀島が、その目標を果たすには、この差を埋める、つまり、どのレースでもベストな滑りをできるようになるしかないのだ。
W杯総合優勝を目的としていることを公言する堀島。有言実行のシーズンとなるか?
もちろん、絶対王者の背中が視界に入った今、それを念頭にオフのトレーンングに挑んでいたのだろう。緊急事態宣言中には、痛めていた腰を休ませることができたというプラス面もあったという。バージョンアップを遂げて新しいシーズンを迎える堀島に期待したい。
すでに世界のトップグループ入り。川村あんりはどこまでバケるのか?
女子はつい数シーズン前までは、誰が優勝してもおかしくない群雄割拠の状況だったが、ここ3シーズンはペリーヌ・ラフォンが連続優勝している。ラフォンも大きな失敗がほとんどないため、全戦で高ポイントをゲットし続け、結果的に他選手と大きく差をつける。
たとえば、昨季は総合3位のジャエリン・カーフ(USA)は単一大会で優勝する実力を持っている。実際、過去に優勝経験は何度かある。しかし、攻撃的なターンが災いしてか失敗もあり、上位に残れないことがたびたびある。彼女は一発勝負の五輪や世界選手権ではタイトルを狙えるだろうが、従来のままなら、シーズン戦であるW杯で総合優勝をするのは難しいだろう。これは、ジャスティン・デュフォー-ラポイント(CAN)やユリア・ギャリシェバ(KAZ)にもいえることだ。
総合優勝の条件が、高いレベルでの安定性だとした場合、昨季の総合リザルトを眺めると、ラフォン以外にもそれを満たしている選手がいる。総合2位のジャカラ・アンソニー(AUS)である。彼女は10戦中2位3回、3位1回、4位3回、5位1回と、ラフォンには劣るが高確率で上位に名を連ねた。ジャッジからの評価も上がっており、たとえばエアの進化などなんらかのレベルアップの要素があれば、逆転も十分にあるのではないだろうか?
この観点で、昨季、初出場となる開幕戦で2位という鮮烈デビューを果たし、総合7位となった川村あんり(JPN)も要マークといえる。彼女は表彰台こそ1度だけだったが、以後も全戦で決勝進出。日本の歴代女子選手がなかなか残せないでいる、“シーズンを通した安定した戦績”を、デビュー1年目であっさりものしている。まだ16歳の若さであり成長の幅は広い。川村が、どこまで伸びるのか? これは今季の大きな注目点となるだろう。
川村に限らず、住吉も躍進、星野も健在と平昌五輪の前後は低調だったのが嘘のように勢いのある日本女子
日本のモーグルファンには楽しみな要素が多い'21シーズン、このコラムではその動向を逐一追っていきたい。
STEEP
スキー・スノーボードの本質を追いかけるWEBメディア。90年代からフリースタイルスキーを追う編集部による、モーグルW杯の見どころを紹介。サイトでは様々な情報を更新中。https://steep.jp/
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