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遠藤尚が去り、ジャパンチームのエースとなる堀島。日本の男子選手で過去最高となる総合リザルトを残した
アイロロ大会中止は女子の総合優勝争いに大きく影響
まずは、秋田たざわ湖大会のあとに予定されていた終盤2戦の動向をまとめておきたい。
第10戦のはずだったアイロロ大会は濃霧により中止となった。このことは女子の総合優勝争いに大きく影響した。優勝の可能性が十分にあった2位のブリトニー・コックス(AUS)、3位のジャエリン・カーフ(USA)にとって、逆転のチャンスが最終戦1度きりになってしまったからである。
男子は堀島のW杯4連勝の可能性も期待されたが、日本チームは最終戦の不出場が既定路線だったため、これは幻に終わる。
総合優勝は平昌五輪の金メダルを獲得した2人に。ラフォンは'17世界選手権DMでも優勝で世界4大タイトルのうち3つを獲得
カーフが優勝もラフォンに追いつかず。絶対王者は横綱相撲で優勝
フランスのメジェーブでの最終戦はデュアルモーグルとして行われた。日本チームだけではなく、オーストラリア勢、ロシア勢などが不出場する国が目立ち、いささか寂しい陣容になった。
女子は、2位のコックスが不在、3位(461点)のカーフは優勝しても561点までしか延びず、1位(527点)のペリーヌ・ラフォン(FRA)は6位以内に入れば総合優勝が決まるという俄然有利な状況となった。決勝に進んだのはそのカーフとラフォンだった。ここで、セミファイナル進出の時点で初の総合優勝が決まっていたラフォンが失速。カーフが今季女子最多となる今季3度目の優勝を果たした。
一方、男子決勝では、ミカエル・キングズベリー(CAN)がブラッドリー・ウィルソン(USA)との高速対決を制し、4大会ぶりの優勝でシーズンを締めくくった。
誰が優勝してもおかしくない状況で必要だったのは安定性
今季のW杯は、男女ともそれぞれ傾向は違うが、ドラマティックなストーリーが展開された。
女子は前年優勝者のコックスの滑りに点が出なくなったことに加え、他の若い選手の実力アップもあり空前の大混戦に。結果的に全10戦で6名の優勝者が生まれた。総合優勝したラフォンは、技術的、リザルト的に突出していたわけではなかったが、抜群の安定感を誇った。他の上位選手が1~2度予選落ちしているなか、全戦で決勝に進出しコツコツとポイントを稼いだ。ラフォンと総合4位のアンディ・ノーディ(CAN)はともに、10戦中8戦スーパーファイナルに進出しているが、前者が表彰台に5回あがったのに対し、後者は3回。結果的に、高い確率で3本通してベストなパフォーマンスを繰り出したラフォンの総合優勝は順当な結果だといえるだろう。
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