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スキー コラム 2019年2月4日

特集 小林陵侑(2)世界選手権メダル奪取

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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小林陵侑

大倉山LHの大応援の前で3位表彰台に昇った小林陵侑(土屋ホーム)

アプローチがしっくりときてサッツ※ の合わせが完璧なままにW杯で連勝を重ねて、はや10勝。
「助走路が安定してきて、これでどの台でも踏み切りがすべて合うようになりました」
このコメントの主は先シーズン後半からよい兆しが顕著にみられ、いまや王者の証明イエロービブを胸に堂々のジャンプを見せるヒーロー小林陵侑(土屋ホーム)だ。
しかし、空中姿勢に関する秘密はいまでも語られない部分はあるが。
※ジャンプ直前の踏み切り動作のこと。

カミル・ストッフ

いまは鳴りを潜めているが実力は充分のストッフ(ポーランド)

「これといって理論というよりは、いつも自然体なんです」
多々の質問を煙に巻く印象もあれ、それは技術的に守らなければならない部分であることは百も承知。
それも先シーズンの後半からすでに空中姿勢においてジャンプの後半に身体とスキーが離れていく状況が見られていた。これは撮影していて、およそ120mあたりから最後のひと伸びを確認しつつだ。
そこには夏場から葛西紀明監督(土屋ホーム)を一緒に分析を重ねたノルウェー選手2、3名があげられた。とくに長身のヨハンソンのとある技術に着目していた。
「それはアプローチ姿勢の低さですね、これを充分に意識しています。それと、えーと空中に関しては、まあ、自然体なんですね(笑)」
それだけわかればもういい。
これ以上のことは、現在、小林のコピーから得たオリジナルテクニックを身につけたライバルのクラフトや、マイペースながら虎視眈々と金メダルを狙うストッフに持っていかれる必要性はないのである。
昨年の夏から秋にかけて、幾度となく重ねられたビデオミーティングで葛西選手は小林にあれこれと細部に至るまでヒントを伝えた。
「あいつにすべて教えたら、いまは完全にその上を行ってしまったんだよ、まったくもう」
と苦笑するが。
それはそれで葛西紀明監督の有能さと指導力の確かさが垣間見えたに他ならない。

先の札幌W杯では、ジャンプ週間後の彼自身の疲れがピークに達していた。
とはいえお気に入りの名店・味坊でお気に入りの味噌ラーメンでひと息つき、英気を養ない、ほっとした。
ただ、疲労が完全には抜け切れておらず、また大倉山の味方になる風があたってくれずに、3位表彰台が精一杯であったが。2年ぶりの札幌W杯開催と小林効果でいつもの3倍以上かけつけた大観衆は歓喜、2日間とも彼に大声援を送った。
「こんなにたくさんのお客さんが来てくれて、その期待に応えたいです」
しごく当然の表現であった。いまの彼に必要なのは、しばしの休養のようだ。そして万全の体調と集中力をもって世界選手権とW杯後半戦へと突き進みたい。

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