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今季も圧倒的強さを発揮するヒルシャー。ライバルたちは彼の総合8連覇を阻むことができるのか?
アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄 0暖冬気味で始まった2018/19シーズンも、気がつけばもう半ば。雪不足の心配は消え、1月はアルペンスキー・ワールドカップが、スロットル全開でシーズンの佳境を迎える季節だ。残りのレース数から考えると、総合及び各種目別のタイトル争いも、そろそろ先が見えてきたといってよいだろう。
ここまでの戦いを振り返ると、男子は今季もマルセル・ヒルシャー(オーストリア)が主役の座を譲らない。総合8連覇という、とてつもない大記録に挑む彼が順調にポイントを伸ばし、2位以下を大きく引き離して総合優勝争いのトップを独走しているのだ。下の表が1月9日時点での総合トップ10の成績だが、ヒルシャーは出場した10レース中6レースで優勝。スラローム、ジャイアント・スラロームともにその速さは群を抜いている。
なかでも圧巻だったのは、アルタ・バディア(イタリア)で行なわれたGS第3戦だ。ワールドカップ有数の難易度で知られる名コース“Gran Risa”は、この日、表面にやや凹凸を残しながら硬く氷結。バンピーかつスリッピーという非常に難しいコンディションとなり、多くの選手たちを悩ませた。しかし、ひとりヒルシャーだけは、完璧に自分の意志でスキーをコントロールする素晴らしい滑りで、2位トーマス・ファナラ(フランス)に2秒53差をつけて圧勝した。レース後の記者会見で「これまでの自分の滑りのなかで、最高のレースだった」と胸を張ったヒルシャーは、翌日のパラレルGSでも優勝。どちらかといえば苦手にしていたサイド・バイ・サイドの決闘でライバルたちを蹴散らした。
ただ、彼の調子はこの頃がピークで、以降は多少下降気味。悪天候で中止となった開幕戦(セルデン)の代替レースとして行なわれたザールバッハのGSでは6位に沈み、またマドンナ・ディ・カンピリオでは1本目でトップに立ちながら、2本目スタート直後にポールをまたぐミスで、ほぼ手中にしていた勝利を失った。
もっとも、多少の疲れをにじませながらも、年明けのザグレブではふたたび表彰台の中央に戻り、ワールドカップ・リーダーの座をさらに堅固なものにした。今週末のアデルボーデン以降、ウェンゲン、キッツビュール、シュラドミングと続く伝統のレースで本来の力を発揮すれば、総合8連覇が早々と確定的なものになりそうである。
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