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スキー コラム 2018年12月5日

スキージャンプコラム『W杯個人総合優勝を狙う小林陵侑』

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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応援旗

試合会場にはそれぞれの応援旗がたなびいている

その小林の新テクニックをわかりやすく言えば、その身体の使い方に基軸がみられる。
それはジャンプの後半に、ボディからスキーを離していって浮力を得ることに特徴がみられ、胸から下方向への風の滞留で、軽やかに風に乗っていくイメージ。その状態から両スキーを押していく。そこでは微妙な手の動きやふところのへこませ具合など秘密な部分があるが。そのもの先シーズンから研究熱心であった陵侑オリジナルであり、今後、勝ち続けるためにも、いまは、ここであからさまにはしない。
あるいは今後のW杯で望まれる小林兄弟の表彰台や、1月後半に地元札幌W杯での葛西監督と並ぶ表彰台シーンが思い浮かぶだけに、それはもうたまらないことだ。

中村直幹

努力が実りW杯ポイントを取った中村直幹(東海大)

いま現在、日本チームでポイントを取って健闘している中村直幹(東海大)も小林と同じ年で大きな刺激を受けている。さらにケガから復調してきた伊東大貴(雪印メグミルク)もこれから。もちろんレジェンド葛西紀明は予選を通過して虎視眈々と上位を狙う。また岡部孝信コーチの指導を受けている佐藤幸椰(雪印メグミルク)が新たな日本チームメンバーとして欧州へ出発、竹内択(北野建設)との入れ替えになった。これもチームの活性に一役かっている格好だ。

開幕から始まった小林の快進撃に驚き慌てふためいた海外勢は、その新たな技術の分析と習得に躍起になり始めた。
とくにポーランドPOLでは個性派のジラが好調のまま小林に追いすがりをみせる。そこに実力あるストッフが続いている。
強力なメンバーが揃うノルウェーNORは若手のフォルファンが表彰台へ、ファンネメルも調子の波を上げてきた。また髭のヨハンソンとタンデもじわりじわりと昇ってきている。
ドイツGERはベリンガーを軸にして、そこに若手のライヤやガイガー、アイゼンビヒラーなどがコンスタントに上位入り。ベテランのフライタクとフロイントはもうしばらくの状況だ。
オーストリアAUTはこれからの印象ながらクラフトに命運を預け、2月後半のゼーフェルド世界選手権へフェットナーと連動してピークを合わせている。ただハイバックの不調が気になるところ。
スロベニアSLOはプレフツ兄がいまひとつならばと、弟のドメンが果敢に飛ばしている。
ロシアRUSのクリモフは開幕戦ビスワW杯の優勝から一呼吸おいて上昇をと願う。
さらに近年は低迷していたフィンランドFINからアールトが久々にひとケタ台の順位に入り、先への希望が見えてきた。

小林陵侑、伊東大貴

第2位クリモフに優勝した小林陵侑と3位の伊東大貴

年末年始は4ヒルズトーナメント、欧州ジャンプ週間の楽しみがある。
それはオーベルスドルフ(12月30日)、ガルミッシュ・パルテンキルヘン(1月1日)のドイツシリーズ2試合に、インスブルック(1月4日)とビショフスホーヘン(1月6日)のオーストリアシリーズ2試合だ。

欧州中にその名声が響く葛西紀明の連続出場におおきな声援を送る大観衆など、あれほど盛り上がるジャンプ大会は他にはない。
そこではホットワインを飲みながらうららかに、そして真剣な眼差しをもって我らが小林陵侑の熱いジャンプを追いたい。

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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