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スキー コラム 2018年3月20日

第9回『プラニツァ音頭も高らかに』

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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新技術のストッフと列強勢

個人総合では優勝を重ねて勢いづくストッフが安定のジャンプで試合会場を魅了していた。 あの2本バーのビンディングに、空中でスキー面を平らに持っていくテクニックと微動たりともしない安定した上半身に特徴がみられた。
この背景にあるのはポーランドの英雄アダム・マリシュが生み出した空中でスピード感ある技術と、コーディネーターとしてチームをまとめ上げた攻勢が大きい。いわば選手の助言役に徹して好成績を上げたマリシュスタイルと、何よりも各選手に対する心のサポートがあった。そしてジュニアチームの指導から始まり、オーストリアで名選手だったシュテファン・ホルンガッヒャーコーチ10余年の集大成があった。

また今季の実力派ノルウェーでいえばヨハンソン、スチュアネン、タンデ、フォルファン、ファンネメルなどが、それぞれに台頭していた。それもこれまでのノルウェーチームと違い、しっかりと2本のジャンプを揃えてくるのだから素晴らしい。
かつてのエース、インゲブリクセンなどは1本目にとんでもない飛距離をマークして2本目には、お決まりのやらかしジャンプで沈んでしまうということ、しばしばだった。
それがバイキングシップとも表現されて心和ませた情景でもあったが、いまや表彰台への常勝軍団となっていた。

これはかつてミカ・コヨンコスキ(フィンランド)がヘッドコーチを務めていた時に、懐刀としてフィンランドから連れていったメンタルセラピストのおかげであり、その系図がいまも脈々と流れ続けているのである。それで2本目に緊張することなくポジティブな自己暗示によって、平然と勝負に出ていくことができた。
今回のRAWAIRでは日本にもファンがいるトム・ヒルデが地元リレハンメルW杯で引退を決めた。一時、コンチネンタル杯に落ちて、そこから好成績を上げてW杯に復帰してきた努力家の彼だった。以前サマーグランプリで白馬にきたときも、ファンの子供たちにチームキャップやニット帽を惜しげもなくプレゼント、握手しサインして喜んで写メにも一緒に入りと、とくに日本に親しみを持つ選手であった。

ドメン・プレフツ

フライングに強みを発揮するドメン・プレフツ(スロベニア)

はたまた今季最終プラニツァのフライングシリーズでは、飛ばし屋の異名を持つドメン・プレフツ(スロベニア)が復調のジャンプをみせてくれそうだ。久しぶりとなったW杯ビケルスンFHでも好調な飛びを見せて、その勢いの波に乗って凱旋ジャンプ、あの鋭敏な突っ込みで果敢に飛距離を伸ばしてくるロングジャンパーだ。兄のプレフツがやや元気がないが、ともに地元の期待と大声援に包まれて奮起の一発を見せてくれる予感にあふれる。

葛西紀明

葛西紀明(土屋ホーム)は帰国後いっそう自分を律していた

そして鋭く飛び抜けるテクニックが健在のクラフト(オーストリア)やシーズン途中の故障休養から復帰してきたフライタク(ドイツ)の頑張り、そしてわれらがカミカゼ・カサイ、欧州では長年の現役生活からレジェンドと呼ばれて敬意を表される葛西紀明(土屋ホーム)が得意とする偉大なフライングジャンプなどに注目が集まりそう。

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