人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

スキー コラム 2018年3月14日

第8回『新たな潮流とFHビケルスン』

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
  • Line

台頭してきた新型技術

小林陵侑

ジャンプ後半に上手くスキー面を平らに持っていく小林陵侑(土屋ホーム)

ヤンネ・バータイネンコーチと千田侑也スキー部長

土屋ホームのヤンネ・バータイネンコーチと千田侑也スキー部長(右)

さて、ここにきてジャンプに新テクニックの流れが登場してきた。
それは横から見ると『ユの字』をした空中姿勢で、スキーの滑走面を斜めにして推進させていくのではなく、バーンに対してなるべく平らに保ち、風を素直に受けていく動作。そこには身体の適度な起こしの動作とキープがあり、スキーと胸との間が一様に離れているシルエットがみられる。こうした方が足首に頼り過ぎずとも自然とスキー面を平らにできる。 文字にするとわかりにくさがあるが、そのイメージとして日本では元フィンランドチームヘッドコーチだったヤンネ・バータイネンの指導を受け、さらに所属の千田侑也スキー部長に社会人としての教えを乞う小林陵侑の斬新な後半の立体的な空中姿勢や、長身のヨハンソン(ノルウェー)などを参考にした栗田力樹(明大)は、スキー面を平らにして推進していく技術を身に着つけようと、宮様大会での創意工夫をみると理解しやすい。彼らはボディ位置を高らかに固定する、その基本姿勢はほぼ完成をみていた。
「コンチネンタル杯でポイントを獲得して、W杯に上がっていきたいです」
全日本チームで同年代のライバル、岩佐勇研(札幌日大高)や二階堂蓮(下川商高)らと切磋琢磨しながら向上心旺盛、注目の大型選手栗田だった。

栗田力樹

スキー面の平らにして長身を生かそうとしていた栗田力樹(明大スキー部)

これは操作性を重視した短いスキーを使用しているストッフ(ポーランド)も同様、あのソチ五輪で金メダルを獲得した2本バーのビンディングで限りなくスキー面を平らに近づけ、そこに良い風を受けて、不動の上体とともに抜群に飛距離を伸ばしていた。
先週日曜日のホルメンコーレン個人戦2本目はよもやの背後からの落とし風にあたり6位へと後退したが、あわてず騒がずクールな笑顔はそのままであった。
もうひとつは以前からの弾丸スタイルで、空中スピードが快速この上ないクラフト(オーストリア)のように身体を寝かせ気味に低く鋭く飛びきっていく、これは宮様大会で復調したジャンプをみせた栃本翔平(雪印メグミルク)のスピードジャンプもそれである。
現状、このようなふたつの流れが確認できる。
かつて一世を風靡したエアロダイナミクスで理論づけされたクの字姿勢から幾年も経ち、いよいよユの字へと変遷であろう。とはいえ、もうしばらく注視していきたくもあり、これは次のRAW AIR最終戦3試合、フライングで世界最大の飛距離250mオーバーを生み出すビケルスンW杯の空中スタイルなどで顕著に表現されてきそうでもある。

長身選手をそろえる強者のノルウェー勢は、おおむねこの新型ユの字スタイルで足首を柔軟に使い、スキーとボディの起こし方とその間隔はそれぞれであるが、基軸には平らにするスキー面がある。それが、左右両スキーもあれば、どちらか得意のスキーだけのシチュエーションも見られる。
その新タイプのテクニックが生まれてきたいま、RAW AIRシリーズではこれらをじっくりと見定めてみよう。

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
スキーを応援しよう!

スキーの放送・配信ページへ