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スキー コラム 2018年3月14日

第8回『新たな潮流とFHビケルスン』

鳥人たちの賛歌 W杯スキージャンプ by 岩瀬 孝文
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哀愁漂う葛西選手

五輪で旗手、帰国後は国内2試合にフル出場、しかも五輪メダル報告会に代表選手団解団式などに出席して、日本国民の皆さんにお礼の言葉を述べていた葛西紀明(土屋ホーム)は、口にこそ出さなかったが疲労感でいっぱいだった。

自分が日本国旗の旗手を務めて、あと押ししたからこそのメダルであるとの自負にも似た、それでいて謙虚な言葉は、人々の感動を呼んでいた。
しかもそれらの激務と試合の出場で、3月のW杯後半戦のために海外遠征に行く頃には、なんと気管支炎までも患っていた。ただ、そこはいつもどおり頑張り屋のノリさんのこと、決して弱気な姿勢は見せず、にこやかに欧州へと旅立っていった。
たった1日だけあった東京でのオフの日には、こっそりと大きな医院の薬局を訪ね、身体に優しさのある薬剤を調合してもらい、それを大事そうに抱え込んでミズノでショッピング。たまにはと神田の美味しい蕎麦屋さんで、ほんの少しほおばって。
またしばらく日本食を口にできないとの心の癒しであった。

葛西紀明

葛西紀明(土屋ホーム)のカミカゼスタイルは健在だ!

であるから、少々の予選落ちなどは、いいではないか。
そこから体調やメンタルを徐々に戻していって、得意のフライングジャンプでおおらかに飛んでくれれば。それで世界中のジャンプファンは、しっかりと夢を乗せていくことができる。レジェンドファンは心底それを望んでいるのだ。
葛西選手もそれをわかっているからこそ発熱などなんのその、スタートバーから『なんだよ、この風は』と、つぶやきを入れながら何気ない顔で出ていくのだ。

それでもたまに身体が苦しくなると、気を紛らわそうと、スタートハウスにいるチームメイトで伸び盛りの小林陵侑(土屋ホーム)とじゃれあい左右パンチの応酬で自分にカツを入れる。さすがに欧州のハウス内ではプロレス技をかけることは控えているが、昔であれば、それで軽くひとひねりのコブラツイストがあったりした。
また小林も本心では葛西監督のことが心配でならないのだが、そこは葛西のアクションをさらりと受け流し『がんばって』との想いを込めて、先にスタートに向かう我らが英雄ノリアキ・カサイの背中をじっと見つめていた。

葛西紀明、伊東大貴、小林潤志郎、小林陵侑のジャパン主力メンバー

葛西紀明、伊東大貴、小林潤志郎、小林陵侑のジャパン主力メンバー

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