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男子スラローム第7戦キッツビュール ヒルシャーの独走は続くのか 五輪出場へのラストチャンスに挑む大越龍之介にも注目
アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄 0さて、男子のスラロームはマルセル・ヒルシャー(オーストリア)が圧倒的な強さで突っ走っています。ここまでの6レース中5レースで優勝。彼は8月に左足首を骨折しましたが、本当にそんなアクシデントがあったのか、とても信じられないほどの充実ぶりです。唯一の弱点がスプリントの勝負となるパラレルレース(タイムレースではなく1対1で競うトーナメント戦)。アルタ・バディアのPGSでは3位、オスロのPSLでは6位と優勝を逃していますが、その2戦と怪我の影響の残っていたレヴィSL、ヴァル・ディゼールGS以外の技術系レースでは全レースで優勝。現時点で今季8勝通算53勝をあげています。
オーストリア選手としての最多勝記録は、ヘルマン・マイヤーの54勝。ヘルマン自身は、幻の優勝(ゴールのレッドライン手前でスキーを外してしまったため、タイムではぶっちぎっていたにも関わらず失格)となった1997年のヴァル・ディゼールGSを含めて54+1勝だと主張していますが、どちらにしても、ヒルシャーがヘルマン・マイヤーの記録を更新するのは時間の問題でしょう。
キッツビュールのスラロームコースは、アデルボーデンやウェンゲンのようにとんでもない急斜面があるわけではありません。しかし、地形の複雑さにかけては、その2会場以上で、スタートからゴールまで意地の悪い斜面が延々と続きます。昨年は、優勝候補筆頭だった絶好調ヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)が、そんなクセのあるコースの餌食となり1本目で転倒。1本目でトップに立ったデイヴ・ライディング(イギリス)も、2本目は攻めあぐねて2位に後退しました。かわりに2本目の爆発的なアタックでヒルシャーが大逆転で優勝するという展開。地元の英雄が1本目9位という窮地を一発でひっくり返す底力を見せたことで、会場全体が大興奮となったレースでした。ただし彼がこのコースを得意としているかというと必ずしもそうではなく、昨年を含めてもここでは過去2勝しかあげていません。データ的には、なんとも予想のしにくいコースなのですが、それだけに面白い勝負となるのではないでしょうか。
現在のところ、日曜日のキッツビュールは雪の予報が出ており、TCM(チームキャプテン・ミーティング)での報告によれば、30センチ前後の降雪があるだろうということです。そうなると心配なのはコース状況ですが、もし予報通りの天候になればおそらくレースは荒れ気味に。タイムよりも順位争いの生き残りレースとなるでしょう。
田草川 嘉雄
白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
≫[email protected] ≫ReplaySkiRacing
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