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海外勢は混戦模様、当初は10代の新鋭にもチャンスがありそうな雰囲気だった。 ポーランドは英雄ストッフとコット、ドイツは勢いが出てきた髭のフライタクとヴェリンガー、オーストリアはクラフトとハイバック、そしてノルウェーのファンネメルとフォルファンあたりが上昇気運にあった。
この大会の優勝はストッフ(ポーランド)、2位フライタク(ドイツ)、3位に上昇著しいクバツキ(ポーランド)。優勝候補のクラフト(オーストリア)は4位に終わった。 日本最高位は小林潤志郎が6位入賞、小林陵侑が12位、竹内拓は24位だった。 ジャンプ週間の序盤で注目するのはストッフの上体の安定性。それは見事にブロックされて飛距離を伸ばしていた。
いまわしき追い風
ミュンヘン市内のブルジョア層が毛皮を羽織り優雅に訪れるガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)大会も雪は少ない。ということは暖冬に近く、そうなると風の変化に悩まされて、やはり追い風になってしまう。 晴天、たまに向かい風がきて。そのいい風の乗ることができれば、と願いながら。 プレスメディアには4つのジャンプ台を回る移動バスができたそうだ。昔はおのおので4つの台へ行っていたのに、いまや大型バスの団体移動だ。ほんとうは山越えの裏道で、そこに小さな伝統的な村がありなど、そんな車移動も面白いのだけれども。
1本目3位につけた小林潤志郎はトータルで4位。風の舞い上がる中で飛ばされたが落ち着いてまとめてきた。竹内拓は23位、小林陵侑が29位だった。 なんと有力な地元オーストリアのクラフトは2本目に残れず。また欧州注目の葛西紀明は予選落ち、まだいまひとつ調子の波に乗れないでいた。 好調時には右寄りに流れていくストッフが優勝、フライタクが2位、小柄ながら瞬発力に長けるファンネメルが3位となった。 名選手だったアダム・マリシュは、いまや最強のコーディネーターとしてポーランドチームをバックアップしている。これはその強さの秘密、技術からメンタルまで硬軟取り混ぜての指導に選手がしっかりと応えていた。
この時期、世界トップシーンの雰囲気に慣れ、さらに夢を抱く目的を持ちながら、コンチネンタル杯を転戦していた白馬村出身の栗田力樹(明大)、岩佐勇研(札幌日大高)と二階堂蓮(下川商)が、立ち見の観客ゾーンから大きな声を上げて、葛西紀明と小林兄弟ら日本勢を応援していた。
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