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あの日、日本チームは晴天のプラニツァで圧倒的な国別対抗優勝の表彰台にいた。
1990年代後半、日本から応援ツアーでやってきていた幾十人ものジャンプファンは、ともに喜び笑顔に包まれていた。
あれから何年の月日が経ったことだろう。
ラハティ世界選手権の団体戦でようやく2本目に残り、それを惨敗と表現され。選手達はうつむき加減になり、ただ、ひたすらに耐えていた。
一転、それが杞憂に終わった。
フライングのビケルスンで、葛西紀明(土屋ホーム)がしっかりと風を受けて241.5mの偉大なフライトを記録、なんと第2位の表彰台に立った。しかも、伊東大貴(雪印メグミルク)が243mの日本最高記録を打ち出したのだから素晴らしい。
ということは、これが本来の実力なのだ。
2月のラハティ世界選手権では、それをうまく出し切れなかった。その結果を鑑みれば、惨敗という2文字はまったくあてはまらないことがよくわかる。
ある意味、この惨敗という言葉を自分たちの発奮材料にしていたのではないか、そんな気持ちも伝わってきそうだ。
この時期、ビケルスンFHで253.5mという世界新記録を樹立したW杯個人総合優勝までもう一息のシュテファン・クラフト(オーストリア)のジャンプスーツを観るとわかりやすい。
そのさわりをいえば下半身に着目点がある。とある個所にエアの取り入れ口があり、その空気浸透率を細やかにクリアした生地繊維の新構造において、エアが広がり滞留してくる。それでラージヒルで100m、フライングでは200mを超えたあたりから下でひと伸びするのである。
これはクラフトのオーストリアチームしかり、ポーランドチーム、ドイツチームもであった。
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