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スキー コラム 2016年10月17日

アルペンスキーW杯男子総合はヒルシャー対ノルウェーの争い 日本選手は厳しい状況を打開できるのか

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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そんなヒルシャーにストップをかける選手がいるとしたら、その最右翼はアクセル・ルンド・スヴィンダール(ノルウェー)だろう。実際、昨シーズン半ばまでふたりは総合ポイント争いで激しく争った。スラロームとジャイアント・スラロームで表彰台に立ち続けたヒルシャーに対し、ダウンヒルとスーパーGで圧倒的な強さを見せたスヴィンダール。レース毎にめまぐるしく順位が入れ替わるふたりのデッドヒートは、キッツビュールのダウンヒル第6戦まで続いた。しかしスヴィンダールは転倒者が続出し大荒れとなったこのレースで、激しく転倒し、膝の前十字靭帯を断裂。この時点では、スヴィンダールが107点差をつけてリードしていたのだが、残念ながら残りのシーズンを棒に振ることになった。仮にこのアクシデントがなく、最後まで彼が戦い続けたら、果たしてどのような結末を迎えていただろうか? 意味のないことだとわかっていながら、ついそんなことを夢想してしまうほど、スリリングな接戦だったのだ。 悔しさを胸に、リハビリとトレーニングに励んできたスヴィンダール。これまでも何度も怪我に倒れ、そこから復活するたびにさらに強くなった姿を見せてきた彼が、今回はどんな状態で戻ってくるのか楽しみだ。

アクセル・ルンド・スヴィンダール

アクセル・ルンド・スヴィンダール

ヘンリック・クリストッファーセン

ヘンリック・クリストッファーセン

そして、もうひとりヒルシャーにとって脅威となる存在が、ヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)だ。17歳でワールドカップにデビューして以来、素晴らしいスピードで進化。昨シーズン後半は、ヒルシャーを逆転するかという勢いだった。最終的にはヒルシャーが強烈なラストスパートをかけて退けたものの、スラロームでは種目別優勝、総合でも2位にまで上昇した。得意種目を同じくするふたり。円熟の27歳と破竹の勢いの21歳の対決は、技術系種目だけでなく、総合優勝争いにおいても、ますます激しくなるはずだ。

日本選手にとっては、今シーズンも苦しい戦いが予想される。技術系種目は、エース湯浅直樹を中心に、ナショナルチームメンバーの成田秀将、中村舜、河野恭介がワールドカップ入賞をめざす。しかし今季開幕時、個人で出場権を持っているのはスラロームの湯浅のみ。昨シーズンのファーイーストカップで、日本選手は誰もタイトルを獲得できなかったからだ。したがって湯浅以外のメンバー3人、さらにナショナルチーム外の石井智也が、国枠として日本に与えられた1枠を争う。まずチーム内の競争に勝ち抜かないと、ワールドカップのスタート台に立つことはできないのだ、おそらく男子の場合、今季はワールドカップよりもむしろヨーロッパカップが主戦場になるはず。そこで結果を出したものだけが、ワールドカップへの挑戦権を得ることができるというのが実情だろう。苦しい状況なのは間違いないが、しかし狭いながらも世界への門は開かれている。力でこれをこじ開け、世界への階段を一歩ずつ上っていってほしい。

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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