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クリスマス休暇の後、恒例の4ヒルズ(愛称:ジャンプ週間)で、総合優勝に輝いたのはシュテファン・クラフト(オーストリア)。なんと21歳のプリティフェイスの彼は、いまだ健闘する葛西選手の半分の年齢にあたるから驚きそのもの。
降雪のため1日延期となった初戦オーベルスドルフでその新鋭のクラフト(オーストリア)、好天の2戦目ガルミッシュ・パルテンキルヘンでは伏兵のヤコブセン(ノルウェー)、3戦目インスブルックはフライターク(ドイツ)、追い風の4戦目ビショフスホーフェンでハイベック(オーストリア)とめまぐるしく変わる勝者。そのなかで個人総合優勝のクラフトは、コンスタントに上位入り、合計で1106.7ポイントを獲得して、ゴールド色のイーグルトロフィーと副賞のアウディを獲得していった。この先には、勝利の勢いに乗るジャンプも楽しみになってくるクラフトだ。
転倒もなんのその勇者アマン(スイス)は、さすがだった。葛西紀明とインスブルックで第3位表彰台に並んで立った。それも同着になるや、すぐに葛西に抱きついて健闘をたたえ合った。夏の白馬サマーグランプリと冬の札幌W杯には必ず出場する親日のアマンだ。心配なのはビショフスホーフェンでの2本目、着地転倒して気を失っての顔面制動、治療などを経ての試合復帰がいつ頃になるかは微妙な段階。
W杯の中盤にかけて好調を維持しているのは若手でクラフト、ハイベック(オーストリア)、プレフツあたりか。
一発屋の印象が強いノルウェーは新鋭の台頭もさることながらチームの復調と安定は、なされるのだろうか。そしてフライタークを除くフロイントなどのドイツチームが不調気味なのが気になるところ。
日本チームでは4ヒルズ最終戦ビショフスホーフェンで2位表彰台を飾った葛西紀明(土屋ホーム)、伊東大貴(雪印メグミルク)、家族そろっての応援がうれしさを増した竹内択(北野建設)、上位を狙う小林潤志郎(雪印メグミルク)に作山憲斗(北野建設)、予選から1本に集中して飛んでいる清水礼留飛(雪印メグミルク)が各々の個性を重んじながら努力を重ねている。チームとしては後半戦に向けてなんとかその出場6枠をキープしていきたい。
この後、チームは久々のザコパネW杯出場を経て、いよいよ札幌W杯へ凱旋となる。
岩瀬 孝文
ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。
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