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スキー コラム 2014年3月14日

男子スラローム最終戦 シーズン最後を締めくくるハイレベルの戦い = レンツェルハイド/スイス プレビュー

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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昨年10月末に開幕したアルペンスキーのワールドカップ。2013/14シーズンは29回会場、12カ国を転戦してきたが、その長い戦いもいよいよ終幕を迎える。最終戦の舞台は、昨年に引き続きスイスのレンツェルハイデ。広大なスケールを誇る魅力あるスキーリゾートで、過去5回のワールドカップ開催がすべて最終戦だ。最終戦は同一会場で全競技を行なう大会。おそらく将来的には世界選手権の開催地に名乗りを上げることだろう。

昨シーズンは悪天候に見舞われ、男女のダウンヒルとスーパーGが中止となる異常事態だったが、一転、今季は連日好天に恵まれている。日中の気温は高いものの、夜間は放射冷却で冷え込むため、コース状況はかなり良い。このまま週末まで天気が崩れないことを祈りたい。

最終戦ーーワールドカップ・ファイナルーーは、他のレースと異なり、選手の出場資格が厳しい。最終戦前の段階で、各種目別のポイントランキング上位25位までの選手に出場資格がある。そのなかで、ワールドカップポイントが500点を超えている選手は、当該種目以外にもエントリーが可能。たとえば、今日行なわれたスーパーG最終戦には、種目別ランキングは39位のマルセル・ヒルシャーも出場したが、それは彼のワールドカップポイントが1050点だったからだ。さらにオリンピック、世界選手権、ジュニア世界選手権のチャンピオンにも出場権がある(オリンピックと世界選手権の勝者が種目別25位以下というのは、現実にはありえないだろうが)。ジュニア世界選手権のチャンピオンにとっては、早くからワールドカップの舞台を経験する大きなチャンスなのだ。

このワールドカップ・ファイナルは、レースそのものの戦いに加えて、総合および種目別のタイトル争いも大きな焦点となる。3月13日現在、男子は高速系2種目以外、タイトルの行方はまだ決まっていない。総合とジャイアント・スラローム、それにスラロームの王座を誰がつかみとるのか、最後の戦いが興味深い。

男子のスラロームは、シーズンの最終レースとして、3月16日に行なわれる。

コースは全体的に緩やかだ。標高差はルール上の最大値220mあるものの、急斜面はスタート直後の約100mくらいだけで、あとは長い中・緩斜面が続く。スラロームの場合全長は発表されないので、あくまでも感覚としてだが、かなり距離の長いコースといえるだろう。最大のポイントは、前半の急斜面のスピードを続く中緩斜面にうまくつなげること。これに失敗すると中盤以降挽回は難しい。

その典型的な例が、昨シーズンの最終戦における湯浅直樹の滑りだろう。湯浅は1本目、急斜面の終わりで大きなミスを犯す。その後必死に追い上げ、最後のスプリットタイムでは3位のタイムをマークしたものの、トータルでは3秒45を失い、完走した20人のなかで最下位だった。ところが2本目はスタートから完全にリズムをつかみ、従来苦手としていた緩斜面も圧倒的なスピードで滑りきった。その結果すべての選手を1秒以上置き去りにするベストタイム。スプリット・タイムも全区間で1位という完璧なスラロームだった。湯浅は合計タイムで10人を追い越し9位にまで浮上したのだ。

その湯浅は、今季もワールドカップ・ファイナルにただひとりの日本人選手として出場する。ランキングは22位タイと、昨年よりもややダウンしての最終戦進出だが、足首骨折というアクシデントを乗り越えての戦いは評価すべきだろう。まだ本調子とは言えない状態だが、シーズンの最後のワールドカップを納得できる滑りで締めくくってほしい。あわよくば昨年の再現を、と願うのは高望みだろうか?

スラロームの種目別タイトルは争いで、チャンピオンの可能性が残っているのは3人。フェリックス・ノイロイター(ドイツ)が470点でリードし、それをマルセル・ヒルシャーが465点、ヘンリック・クリストッファーセン(ノルウェー)430点で追う展開だ。誰が勝ってもおかしくないが、現時点での調子の良さで言えば、ノイロイター≧クリストッファーセン>ヒルシャーといった印象。ヒルシャーは、総合優勝も絡んでいるだけに、もし前日のジャイアント・スラローム最終戦で総合優勝を決めていなければ、どういう戦略でスラロームを戦うかむずかしい状況になるだろう。

いずれにしても、このレースで今季のワールドカップはすべて終了。ひとりの怪我人もなく、全選手がフルに力を出し切って最後のレースを戦って欲しい。

〔写真1〕スラローム最終戦を前に種目別ランキングで首位に立つフェリックス・ノイロイター。交通事故による怪我から立ち直ったようだ
〔写真2〕クラニスカ・ゴーラでは2レースとも不本意な結果に終わったマルセル・ヒルシャー。調子は下り坂で表情も冴えなかった
(クリックで写真拡大)

〔写真3〕シーズンを通して好調を維持しているヘンリック・クリストッファーセン。種目別タイトルの大逆転はあるのか?
〔写真4〕ソチ五輪のスラローム金メダリスト、マリオ・マットはクラニスカ・ゴーラのスラロームで転倒。
(クリックで写真拡大)

〔写真5〕昨シーズン同様、高速系2種目でクリスタルトロフィーを獲得したアクセル・ルンド・スヴィンダール。総合優勝もヒルシャーと争っている
〔写真6〕昨シーズン最終戦での湯浅直樹は、2本目圧倒的ベストタイムで9位に浮上。その再現を期待したい
(クリックで写真拡大)

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
≫Twitter@ReplaySkiRacing ≫ReplaySkiRacing

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