人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

スキー コラム 2014年1月16日

好調ヒルシャー、ウェンゲン初優勝なるか= ウェンゲン・スイス プレビュー

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
  • Line

1月の男子スラロームは、毎年“スラローム月間”ともいうべきスケジュールが組まれる。1ヶ月間で5レース、6日に行なわれたボルミオ(ザグレブ代替)を皮切りに、12日アデルボーデン(スイス)、19日ウェンゲン(スイス)、26日キッツビュール(オーストリア)、28日シュラドミング(オーストリア)と続く。今年は年内に2レース(レヴィとヴァル・ディゼール)しか行なわれず、選手もやや物足りなかっただろうが、年明けは一転してレースの連続だ。スラローマーにとっての正念場が始まったわけである。
加えて、今季はオリンピック・シーズン。各国ともソチ五輪代表選手の選考が大詰めを迎える。日本チームは1月20日をデッドラインに設定しており、したがって選考対象のレースは、今週末のウェンゲンのスラロームを残すのみだ。

アルペン競技に関するSAJ(全日本スキー連盟)の選考基準は 昨シーズン以降のワールドカップ、および世界選手権で8位以内1回以上、または20位以内2回以上という数字。かつては将来性やヨーロッパカップの成績等を考慮して、基準を達しなかったな選手を“コーチ推薦”で代表に加えていたが、前回のバンクーバー五輪と同様、この枠は認めないという。 こうした選考基準を厳密に適用した場合、現時点でクリアしているのは湯浅直樹(スポーツアルペン)と佐々木明(ICI石井スポーツ)のふたり。女子は1月15日のフラッハウで選考対象レースは終了。残念ながら誰も基準を満たすことができなかったため、女子のアルペンは2大会連続で代表派遣なしということになった。
一方の男子は、今週末のウェンゲンが最後の選考対象レースとなる。出場選手はまだ発表されていないが、湯浅、佐々木の他に石井智也(サンミリオン)、チーム外の皆川賢太郎(ドーム)がスタートすることになるだろう。皆川は先週アデルボーデンのレースの3日前にトレーニング中に足首を負傷。幸い深刻なものではなかったようだが、アデルボーデンは欠場せざるを得なかった。ソチ・オリンピック出場をめざす彼にとっては、残るチャンスは1レース。ここで8位以内に入らなければ5度目の五輪出場への道は閉ざされる。現在の彼の状況を考えれば、可能性は小さいと言わざるを得ないが、しかしけっして0ではない。持てる力をすべて出し切って最後のチャンスに賭けてほしいと思う。 もちろん、これは石井にとっても同様。まだ24歳の彼には失うものは何もない。フルアタックのみだろう。

さて、ウェンゲンのスラロームだが、このレースで男子スラロームは今季第5戦となる。先週のアデルボーデンでは、荒れたコースをマルセル・ヒルシャーが勇敢に攻めて逆転優勝。今季スラローム2勝目をあげた。これでスラローム種目別首位に返り咲き、マリオ・マット(オーストリア)からリーダービブを奪還。さらにワールドカップ総合でもアクセル・ルンド・スヴィンダール(ノルウェー)を抜いてトップになった。本人は
「まだ15レース以上残っている。全部優勝すれば1500点だ。つまり、まだ誰にでも総合優勝のチャンスが残っているわけで、今僕がトップに立っていることに何の意味もない」
とそっけない。しかし、現在の彼が心身ともに充実していることは間違いなく、3年連続の総合優勝、2年連続のスラローム種目別優勝に向けて順調に突っ走っているといえるだろう。
ウェンゲンのスラロームは、距離は比較的短い(ウェンゲンのダウンヒルがワールドカップでもっとも長いコースで競われるのと対照的だ)が、技術的な難度は極めて高い。最大の要因は地形が複雑なことで、急斜面と緩斜面、逆バンクにアップヒルとめまぐるしくその表情を変える。スラローマーとしての総合力が問われるコースだ。
意外なことに、ヒルシャーはこのコースでまだ優勝したことがない。苦手ということはないのだろうが、2位が最高でまだ表彰台の中央に立ってことがないのだ。ワールドカップのレギュラーコースで優勝したことがないのはウェンゲンだけ。当然彼もそれは意識しているだろうし、今季のレースには周到な準備をして臨んでくるはずだ。

反対に、このコースを得意とするのがイヴィッツァ・コスタリッチ(クロアチア)。過去5シーズンすべて表彰台に立っており、それ以前を含めるとでは1位4回、2位1回、3位4回と驚異的な好成績だ。ただし、今季はさっぱり調子が上がらず、レヴィで4位になったのが唯一のひと桁順位。得意とするコースで復活のきっかけをつかみたいところだろうが、はたしてどうだろうか。

最後に日本選手にふれておこう。
湯浅は、彼にとって初めての第1シードで滑ったアデルボーデン、気負いすぎたのかスキー操作に落ち着きがなく、2度の失敗で自滅した。11番スタートというアドバンテージを結果につなげられなかったのは残念。これで第1シードから転落しWCSLは16位となった。しかし、この位置ならば復帰は容易。1レースで落ちたのならば、1レースで戻ればいい。奮起を期待しよう。

佐々木明にとってウェンゲンは11年前65番スタートから2位となって世界に羽ばたくきっかけとなった場所。本人はここにそれほどの思い入れがあるわけではない、というが、コースの構成から考えても相性はいいはず。トレーニングではとくに急斜面の速さは健在なので、つまらないミスさえなければ、かなりの好成績が期待できるはずだ。

〔写真1〕現在好調のマルセル・ヒルシャー。まだこのコースで優勝がないだけに闘志を燃やすはずだ。
〔写真2〕アデルボーデンで失敗に終わった湯浅直樹。第1シードから外れたが、すばやい復帰を期待したい。
(クリックで写真拡大)

〔写真3〕今季まだポイントを獲得していないが、ウェンゲンとは相性がいいはず。佐々木明の爆発は見られるのか。
〔写真4〕ウェンゲンでは圧倒的な強さを見せてきたイヴィッツァ・コスタリッチだが、今季は絶不調。復活のきっかけをつかみたいところ。
(クリックで写真拡大)

〔写真5〕ワールドカップ2年目の今季、あっという間に第1シード入りしたヘンリック・クリストファーセン。初優勝も間近か?
〔写真6〕アデルボーデンで久々の表彰台に上り、自信を取り戻したアンドレ・ミューラー。今後の滑りが注目される。
(クリックで写真拡大)

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
スキーを応援しよう!

スキーの放送・配信ページへ