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スキー コラム 2012年12月6日

男子スラローム第2戦 (12月9日/ヴァル・ディゼール)

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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レヴィでの第1戦から約1カ月、ようやくスラローム第2戦が近づいてきた。今週末はヴァル・ディゼール(フランス)で男子の技術系2レースが行なわれる。8日土曜日がジャイアント・スラローム第3戦、日曜日がスラローム第2戦である。レヴィのレースの後、ワールドカップツアーは北米を転戦。男子はレイク・ルイーズ(カナダ)、ビーヴァークリーク(アメリカ)と回って、ふたたびヨーロッパに戻ってきた。冬本番を迎え、ヨーロッパ・ラウンドがスタートするのだ。

かつてワールドカップはヴァル・ディゼールから始まっていた。12月の初め、アルプスの山々に根雪が定着する頃、世界中のトップレーサーがこの谷に集まってきたのだ。今でもワールドカップ・ヴァル・ディゼール大会の正式名称は「Criterium de la premiere neige」“初雪大会”。この山から白いサーカスがスタートした頃の名残である。

ヴァル・ディゼールのワールドカップ・コースは大きくわけてふたつある。ひとつは村の入口、ラダイユにある“OKコース”。そしてもうひとつが村の中心部に滑り込む急斜面、“ベルヴァルドの壁”である。かつて多くの名勝負が展開されたOKコースは、最近のワールドカップではほとんど使われずお役御免の状態。アルベールヴィル五輪(1992年)の際に新しくコースが開かれたベルヴァルドがワールドカップの舞台となることが多い。今回の2レースも、そのの後半部分を使って行なわれる。

ベルヴァルドの壁は、下から見上げると圧倒的なボリュームで迫ってくる急斜面だ。上部は岩の間を回廊のように縫う幅の狭いコース。ジャイアント・スラロームのスタート地点の当たりからは一転、幅の広い大斜面となる。遠目に見ると一枚バーンのように感じられるが、実際は細かいうねりがいたるところにあって、なかなか曲者のコースだ。ポールセット次第では、非常にむずかしいコースとなるだろう。

さて、日曜日のスラローム第2戦。最大のポイントは現在スラローム3連勝中のアンドレ・ミューラー(スウェーデン)が、その記録を伸ばすかどうかだろう。昨シーズン終盤の2レース、そして先月のレヴィ第1戦と驚異的な安定感で勝ち続けたミューラー。今季は結果には結びついていないもののGSにも積極的に取り組み、部分的には素晴らしい滑りをみせている。先日のビーヴァークリークGSでも1本目のゴール寸前でスピンしてしまったが、そこまでの滑りは相当によかったようで、彼自身の手応えを感じている様子。調子そのものはベストに近い状態なので、ヴァル・ディゼールでも最強の優勝候補であるのは間違いないだろう。

昨シーズンの総合チャンピオン、今季も総合ランキングで3位につけているマルセル・ヒルシャー(オーストリア)にとって、ヴァル・ディゼールは相性の良いコースだ。ジャイアント・スラロームもスラロームも彼にとっての初優勝はベルヴァルドの壁で記録したもの。おそらくこのコースには絶対の自信を持っていることだろう。

他にも多くの選手に優勝のチャンスがあるだろうが。注目したいのは地元フランスの新鋭、アレクシー・パントゥローだ。昨シーズン大躍進したパントゥローだが、今季は怪我のために出遅れていた。しかし、ビーヴァークリークのGSでは5位に入賞と徐々に調子を上げている。このレースからの復帰が予想されていたエースのジャン・バティスタ・グランジが怪我のために欠場するため、地元のファンの期待は彼に集まるはず、そのなかでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみなポイントである。

日本チームからは、湯浅直樹が出場する。レヴィの第1戦では腰の痛みに苦しみながら1本目25位。2本目ゴール前で大きなミスを犯して合計では27位に下がってしまったが、果たして1カ月の調整でどこまで調子をあげているか注目したい。

もうひとりの日本人として佐々木明が出場する。日本チームではなく日本人とあえて書いたのは、今季の彼がナショナルチームからは外れているからだ。しかし、復活をめざす彼はプライベートで参戦。チーム内選考レースとなったヨーロッパカップで勝ち上がり、見事にワールドカップ第2戦の出場権を勝ちとった。湯浅同様、腰の痛みに悩まされている佐々木だが、意地でつかんだ出場権をどう結果につなげるのか、こちらも大注目である。

佐々木の今季の戦いについては、こちらもご覧ください。
http://www.alpinerace.net/racingreport/

[写真左]昨シーズンから3連勝中のアンドレ・ミューラー。抜群の安定感で他を圧倒する。
[写真右]現在総合で3位につけるマルセル・ヒルシャー。調子は徐々に上向きだ。

[写真左]マルセル・ヒルシャーはスラロームの初勝利を、このコースで記録している。
[写真右]第1戦は不本意な成績に終わった湯浅直樹。巻き返しを期待したい。

[写真左]ベルヴァルドの壁はまるで村の中心部に飛び込むような急斜面だ。
[写真右]プライベート参戦の佐々木明。ナショナルチームメンバーに勝ってこのレースの出場権をつかんだ。

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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