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スキー コラム 2011年12月6日

待ちに待ったシーズンスタート。

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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ゾルデンでの開幕戦からすでに1ヶ月半が経過し、12月8日にようやく今季の男子スラロームの初戦が行なわれる。スラローム・スペシャリストにとっては待ちに待ったシーズンの開幕だ。会場は、アメリカ・コロラド州のビーバークリーク。本来は11日にヴァル・ディゼール(フランス)で行なわれる予定だったレースを前倒ししての代替開催である。

ビーバークリークでワールドカップの男子スラロームが行なわれるのは、2006年12月以来、5年ぶりのこととなる。このときの優勝者は、アンドレ・ミューラー(スウェーデン)。当時23歳の彼にとっては、初のワールドカップ優勝だった。フィニッシュ地点の気温がマイナス18度といいう極寒のレースだったが、同時にトップ15のなかに第1シード選手がわずか4人しかいないというイレギュラーなレースでもあった。スラロームとしては急斜面が少なく、極端に低い気温で緩斜面のワックスの選定がむずかしく、加えてアンテ・コスタリッチ(イヴィッツァ・コスタリッチの父親)が立てたクセのあるポールセット(2本目)などもからみあった結果と思われるが、とにかくかなり予想外の展開のレースだったのだ。日本選手は皆川賢太郎と佐々木明がともに1本目途中棄権。さらに湯浅直樹も旗門不通過で失格となっている。このとき佐々木はWCSLのランキングで8位、皆川は10位、さらに湯浅も23位と日本のアルペン史上最強の陣容だったはずだが、大荒れのレース展開にのみこまれ、残念ながら結果を残すことができなかった。

さて、今シーズン最初のスラロームは、どんなレースになるのだろうか。初戦ということで、各選手の仕上がり具合はほぼ白紙だが、その展開を予想する上で鍵となりそうなのは、コースの状態だ。前述のようにビーバークリークは、スラロームコースとしては急斜面が短く、とくに中盤過ぎてからは緩斜面がほとんど。したがって、フラットな部分でスピードを稼ぐパワーがより重要になってくるだろう。前回の優勝者、アンドレ・ミューラー、マリオ・マット(オーストリア)らがそういうタイプのスラローマー。また一時の低迷から抜けだしたイェンス・ビグマルク(スウェーデン)も、緩斜面での爆発的速さを武器とするだけに侮れない。

また、ぜひ注目したいのが11月末にラブランドで行なわれたノーアムカップのスラローム2連戦で2連勝したウィル・ブランデンブルグ(アメリカ)だ。ジャン・バティスタ・グランジ(フランス)、マルセル・ヒルシャー(オーストリア)、マリオ・マットらのトップスラローマーを抑えての完璧な勝利は、24歳の彼に大きな自信を与えたはず。ワールドカップでの最高位は22位とほとんど無名の存在だが、今季急成長しそうな気配を漂わせる期待の新鋭といえるだろう。

昨シーズンのワールドカップ総合優勝者でスラローム・チャンピオンでもあるイヴィッツァ・コスタリッチは、今季もスロースターターぶりを発揮している。開幕戦のゾルデンGSこそ5位に入っているが、その後はあまり目立った成績を残していない。ただし、言うまでもなくテクニックの高さは一級品。とくに荒れたコースでは圧倒的な速さを発揮するだけに、降雪や気温上昇でコースが軟らかくなると、上位入賞、表彰台の可能性はぐっと高くなるはずだ。

日本チームは、佐々木、湯浅に加えて大越龍之介の出場が予定されている。前回のレポートで報告したように、アメリカとヨーロッパを短期間のうちに2往復する過酷なスケジュールとなったが、最善を尽くしてワールドカップ初戦に臨む。第2シードに入っている湯浅はともかく、佐々木、大越ともに遅いスタート順からの苦しい戦いとなるだろう。まずは2本目に残り、少しでもワールドカップ・ポイントを獲得することが、最低限クリアすべき目標となる。

【写真左】2006年大会の覇者アンドレ・ミューラー(スウェーデン)。彼とっての初優勝だった。2位はマイケル・ジャニック(カナダ)、3位フェリックス・ノイロイター。ノイロイターの表彰台もこれが初めてだった
【写真右】皆川賢太郎はこのとき絶好調。優勝を狙ってのレースだったが途中棄権。1週間後の負傷で長い低迷期に入ってしまった

【写真左】この時点ではWCSLで8位にランキングされていた佐々木明。途中棄権に終わり、結果に結びつけることができなかった
【写真右】後半は中・緩斜面が続く。フラットな部分でどれだけスピードに乗せられるかの勝負だけに、わずかなミスも許されないコースだ

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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