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スキー コラム 2011年2月4日

【アルペンスキーW杯転戦記】 ヒンターシュトーダー

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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2月8日からは、ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)でアルペンスキー世界選手権がスタート。今シーズン最大のビッグイベントだ。その世界選手権前に行なわれる最後のワールドカップ会場は、ヒンターシュトーダー(オーストリア)。かなりのワールドカップ通でも、聞き慣れない名前のスキー場だろう。アルペン大国オーストリアにあっても、キッツビューエルやシュラドミングのように毎年ワールドカップを行なうレギュラー開催地ではなく、ごくたまに大会を招致する不定期の開催地だ。過去には計8回ワールドカップを開催したが、もっとも最近では2006年の12月に男子のスーパーGとジャイアント・スラロームが、ここで行なわれている。

オーストリア国内では、サンアントン世界選手権(2001年)のダウンヒル・チャンピオン、ハンネス・トリンクルの地元として知られるが、スキー場の規模は特別大きくはない。全部で13基あるリフトのうち、9基がTバーリフトという、どちらかといえばローカルなスキー場。それでも最大標高差は1400mもあるのだから、やはりアルプスのスキー場というのは、スケールが大きい。

2006年の大会は天候に恵まれず、とくにジャイアント・スラロームは深い霧の中のレースとなった。気温が上昇したため朝から視界は最悪。キャンセルの可能性もあったのだが、無理やりスタートし何とかレースは成立した。こういう悪条件では昔からノルウェー勢が強いのだが、このときもアクセル・ルンド・スヴィンダールが優勝している。日本からは佐々木明だけが参加。スーパーGで52位という記録が残っている。ちなみに、彼が出場したワールドカップのスーパーGは、これまでのところこのレースのみ。その意味では非常に貴重なレースだったのだが、なぜかこのとき私は佐々木の滑りを撮り逃している。はっと気づいたときにはすでに撮影ポイントを通り過ぎているという大失態。今振り返っても、情けない思い出だ。

さて、4年ぶりの開催となったヒンターシュトーダー、今回もスーパーGとジャイアント・スラロームの開催だ。ジャイアント・スラロームは1月8日のアデルボーデン以来、約1カ月ぶりのレース。第1戦から勝ちっ放しだったテッド・リガティ(アメリカ)の連勝が3でストップし、種目別のポイント争いも混沌として来た。最終戦を除けば残り2レースとなっただけに、タイトルの行方を左右する非常に重要なレースと言えるだろう。斜面的には、あまり難しいコースではない。アルタバディアやアデルボーデンのような急斜面はないし、クラニスカ・ゴーラのような地形変化もない。ポールセットによって難度は左右されるだろうが、おそらくはアタックあるのみというスピードレースとなりそうだ。

【写真左】 開幕からの連勝が3でストップしたテッド・リガティ(左)。約1カ月ぶりのGSで、ふたたび圧倒的強さを見せつけることができるだろうか
【写真右】 前回のヒンターシュトーダーの覇者、アクセル・ルンド・スヴィンダール。ご覧のような霧の中でつかんだ勝利だった

注目はやはりポイントリーダーのリガティ。連勝ストップの影響を引きってしまうのか、あるいはふたたびシーズン前半の強さを取り戻せるのか。2位に迫るアクセル・ルンド・スヴィンダールとの差は38点しかないので、いずれにしても緊迫した展開となるだろう。目前に迫った世界選手権も視野に入れながらの戦いは、コンディショニングとモチベーションの高め方が難しいだろうが、ここはレベルの高い争いを期待したい。さらには3、4につけるフランスのふたり、シピリアン・リシャールとトーマス・ファナラの存在も侮れない。長い間、不振を極めていたフランスのGSチームから久々に現れたスペシャリストだ。ともに年齢的にはすでにベテランだが、たび重なる怪我を克服してのカムバック。このところの好成績で自信をつけており、シーズン終盤の追い上げが注目される。

【写真左】 同じく前回大会の佐々木明。残念ながら今回はエントリーしていないが日本での調整を経て世界選手権に向かう
【写真右】 種目別ランキングで3位につけるシピリアン・リシャール。僚友トーマス・ファナラとともにフランス旋風の立役者だ

残念ながら、日本選手は参加しない。佐々木明、湯浅直樹ともにシュラドミングのスラロームの後、日本に帰国中。短期間の滞在ではあるが、リラックスした時間をすごし心身のリフレッシュをはかってから世界選手権へ臨む。ふたりとも菅平で調整を行なった後、ふたたびヨーロッパへ。佐々木はジャイアント・スラロームへの出場にも含みを持たせているが、おそらくは大会最終日の2月20日に行なわれるスラロームにすべてのパワーを注ぎ込むことになるだろう。ワールドカップ同様、こちらの戦いも気になるところだ。

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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