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スキー コラム 2011年1月5日

【アルペンスキーW杯転戦記】 ザグレブ

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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イヴィッツァ・コスタリッチ(クロアチア)が、決勝でジュリアン・リゼロー(フランス)を下したミュンヘンのシティ・イベント(パラレルレース)。ふだんはあまり見る機会のないSide by Sideの一騎討ちは、大観衆をおおいに熱狂させてくれた。ワイルドカードで出場したフェリックス・ノイロイター(ドイツ)も4位に入賞。地元のエースの活躍に、2月8日にガルミッシュ・パルテンキルヘンで開幕する世界選手権に向けた最高のプロモーションとなったようだ。

その興奮も醒めやらぬ今週金曜日は、ザグレブで男子スラローム第3戦が行なわれる。ザグレブはクロアチアの首都であり、イヴィッツァ・コスタリッチが生まれ育った街。そして、中心部から約30分の位置にあるスリエーメは、幼い頃の彼とその妹でかつてのアルペン女王、ヤニッツァ・コスタリッチが、父親アンテの厳しい指導のもと、毎日毎日練習に明け暮れたスキー場である。アルペン史上最強ともいえるコスタリッチ兄妹は、標高差約250m、短いリフトが3基しかないこのちっぽけなスキー場から巣立っていったのだ。

スリエーメでワールドカップが行なわれるようになったのは、比較的最近のことだ。初開催は2005年の1月で、このときは女子のスラロームだった。男子は2008年に初めてワールドカップのスケジュールに登場した。初年度は2月の開催だったが、翌年からは決まって1月6日に行なわれるようになった。これは、1月6日がクロアチの国民の休日(公現際:キリスト教の祭日)にあたるため。したがって人々は、クロアチア最大のスター選手を応援するために、大挙して会場に押し寄せる。今やスリエーメのスラロームは、シュラドミングのナイト・スラロームに次ぐ観客動員数を誇る大イベントとなった。わずか数年の間の急成長の裏には、クロアチア、とりわけザグレブにおけるコスタリッチ人気があるのは間違いないだろう。ちなみにクロアチアでは、イヴィッツァ・コスタリッチが2010年度の最優秀アスリート、そしてアンテ・コスタリッチが最優秀コーチに選出されている。

【写真左】 イヴィッツァ・コスタリッチ:イヴィッツァ・コスタリッチは過去2度表彰台に立っているが、いずれも2位。今季こそ、その中央に立つことができるのだろうか
【写真右】 観客席:歴史は浅いが、今やワールドカップ有数の観客を集める一大イベントに成長した

そんなわけで、今季のレースもイヴィッツァ・コスタリッチを中心に展開されることだろうが、もちろん注目すべきは彼だけではない。第1戦と第2戦とでは表彰台の顔ぶれがまったく入れ替わっており、混戦模様の今季の男子スラローム。現時点では飛び抜けた存在が見当たらず、それだけに誰にでも勝つチャンスがあると言える。ヴァル・ディゼールの第2戦から1カ月近く間隔があいているため、この間どれだけ良い練習を積み、コンディションを上げて来たかがポイントになるだろう。とくに1月は、スラロームが立て続けに5レースも開催される怒濤のSL月間。ここで調子の上がらない選手は、今季をほとんど失ってしまうことにもなりかねないだけに、万全のコンディショニングで臨んでくるはずだ。第1戦の勝者、ジャン・バティスタ・グランジェ(フランス)、第2戦を制したマルセル・ヒルシャー(オーストリア)はもちろん注目だが、ここまであまりぱっとしなかったジュリアン・リゼローやフェリックス・ノイロイターらの滑りも、上位進出を虎視眈々とねらっているはず。ほぼノーマークだったジュリアーノ・ラッツォーリ(イタリア)が優勝した昨シーズンのように、意外な選手の活躍もありそうだ。

【写真左】 ジュリアーノ・ラッツォーリ:昨年の勝者、ジュリアーノ・ラッツォーリ。彼にとってはワールドカップ初優勝で、その勝利で得た自信と勢いがバンクーバー五輪の金メダルにつながった
【写真右】 佐々木:佐々木明は、昨年45番スタートから15位と健闘。今季は10位以内入賞を望みたいところだが、右手の痺れが不安要素だ

注目の日本選手だが、佐々木明、湯浅直樹ともに、今季はまだ調子が上がって来ていない。例年どちらかといえばスロースターターの日本チームだが、ここで一気に波に乗りたいところだ。しかし、佐々木はこのところ右手に原因不明の痺れを訴えており、これが大きな不安要素。滑りの面でどれだけの影響があるかは未知数だが、いずれにしてもコンディションはよくない。一方の湯浅も体調的には問題はないようだが、滑りは今ひとつ感覚をつかめていないようで、不安をかかえてのレースとなりそうだ。彼のWCSL(ワールドカップ・スタートリスト)のランキングは、現在第2シードぎりぎりの30位。ここでポイントをとらないとシード圏から転落するしてしまうので、まさに正念場のレースといえるだろう。スタートダッシュには失敗してしまった日本チームだが、そろそろ彼ら本来の切れのあるスラロームを見せてほしいところだ。

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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