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1月は、怒濤のスラローム月間だった。6日のザグレブに始まって、アデルボーデン(10日)、ウェンゲン(17日)、キッツビューエル(24日)シュラドミング(26日)と転戦。今週末は1月だけで5戦目となる今季第8戦がクラニスカ・ゴーラ(スロヴェニア)行なわれる。このスラロームがバンクーバー五輪前の最後のレース。2月に入るとワールドカップはいったん中断され、戦いの場は、オリンピックのアルペン会場、ウィスラー・マウンテンへと移るのだ。
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【写真1】26日に行なわれたシュラドミングのスラローム。ヘルブスト優勝、プランガー3位と再び息を吹き返した
【写真2】2本目の見事なアタックで8位にまで順位をあげた湯浅。自己最高には届かなかったものの、会心の滑りといってよいだろう
クラニスカ・ゴーラは、スロヴェニアの首都リュブリアナの北西約100kmの所にあるこの国最大のスノーリゾート。車で10分も走れば、イタリア、オーストリアとの国境だ。アルプスのほぼ東端に位置し、スロヴェニア最高峰のトリグラフ(2864m)を中心とする山岳地帯である。とはいえ、スキー場自体はそれほど高地にあるわけではなく、ゴール地点の標高は、836m。したがって雪質が少し心配されるが、週末の天気予報によると、気温はぎりぎりマイナスにとどまり、夜間に冷え込めば上々のコンディションとなるだろう。
正式な大会名は「Pokal Vitranc」といい、今季で49回目を迎えるクラシック・レースである。例年ジャイアント・スラロームとスラロームが行なわれるが、今季は悪天候のためにキャンセルとなったアデルボーデンのジャイアント・スラロームを代替開催するため、GSが2レース行なわれる。しばらく出番のなかったGSスペシャリストにとっては、久々のレース。選手の力関係も微妙にかわっていることも予想され、展開は読みにくい。ただし、種目別ランキングのトップ3がいずれもこのコースを得意とするだけに、今季も彼らが中心となることだろう。トップに立つベンジャミン・ライヒ(オーストリア)は過去4回このコースで優勝しているし、それを僅差で追う、マッシミリアーノ・ブラルドーネ(イタリア)は優勝こそないものの、4回表彰台に立っている、さらに3位につけるテッド・リガティ(アメリカ)は一昨年、昨年と2年連続優勝。急斜面と緩斜面が交互に続く、テクニカルな斜面をGSの名手たちがどう攻略するのか興味深い。
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【写真3】佐々木も9位に入賞。依然調子は上昇曲線を描いている。クラニスカ・ゴーラでは、最終戦出場を確実にする活躍を期待したい
【写真4】クラニスカ・ゴーラのGSで過去4勝をあげているライヒは、現在種目別リーダーの座を辛うじて守っている
スラロームは、このところ失敗続きだったラインフリート・ヘルブストとマンフレッド・プランガーのオーストリア強力コンビがともにシュラドミングで息を吹き返した。それぞれ1位、3位と表彰台に復帰したことで、上位戦線はますます混沌としてきた。キッツビューエルでジュリアン・リゼロー(フランス)に奪われたスラロームのレッド・ビブ(種目別ランキングのトップがつける赤いゼッケン)を、シュラドミングで奪還したヘルブストが、そのリードを守りきれるのか。シーズンに残されたスラロームは、これを含めてあと2レース。タイトル争いも大詰めになっただけに、緊迫した戦いが期待される。
もちろん、日本選手にも期待が高まる。シュラドミングでは、3人全員が2本目に進み、湯浅直樹(スポーツアルペン)が8位、佐々木明が9位とふたりが1桁入賞を果たした。これは、05/06シーズンの佐々木2位、皆川賢太郎(竹村総合設備)6位に次ぐ快挙。シュラドミングの凍結した急斜面で、日本選手の技術の高さを証明したわけである。
過去の戦績を振り返ると、クラニスカ・ゴーラも日本選手には相性のよいコースと言える。佐々木は4位、7位に入賞した経験があり、絶不調だった昨シーズンも唯一の入賞(15位)をここで記録。また湯浅は05/06シーズンに2本目のベストタイムをマークして自己最高の7位になっている。2週連続の好記録の可能性はかなり高いといってよいだろう。
現在、種目別ランキングで佐々木22位、湯浅26位、皆川38位となっている。25位の選手までが出場できる最終戦への切符を手に入れるためにも、日本選手の健闘を期待したい。
田草川 嘉雄
白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
≫[email protected] ≫ReplaySkiRacing
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