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スキー コラム 2009年1月30日

【アルペンスキーW杯転戦記】ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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ウェンゲン、キッツビューエル、シュラドミングと続いた熱狂のシリーズが終わり、今週のワールドカップはドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンへと舞台を移す。ドイツではもっとも大きく、もっとも有名なこの山岳リゾートは、南部のバイエルン州、あとわずかでオーストリアとの国境というところにある。直線距離でみれば、州都ミュンヘンよりもむしろオーストリアのインスブルックに近い。したがって、ドイツばかりでなくオーストリアからも大挙して応援団が集結。賑やかな大会となる。ガルミッシュ・パルテンキルヘンでは1936年には冬季オリンピックが、1978年にはアルペンスキー世界選手権が行なわれている。2年後の2011年には、ふたたびアルペンスキー世界選手権が開催される予定。またノルディックスキーのファンには、ジャンプ週間2戦目の会場としておなじみだ。

今季開催されるのは4レース。金曜日には女子スラローム、土曜日に男子ダウンヒルと女子スーパーG、そして日曜日に男子スラロームという変則的なスケジュールが組まれている。ワールドカップであると同時に、世界選手権のプレ大会としての意味合いも大きいといえるだろう。

男子のスラロームコースは、23年ぶりの世界選手権に向けてリニューアルされた。スタートを上に、ゴールを下にそれぞれ移し、標高差は従来の200mから220mへと拡大されたのだ。その結果、フィニッシュエリアはジャンプ台のランディングバーンと隣り合う形となり、それを巨大なスタジアムが囲むというレイアウトとなった。観客にとっては、非常に観戦しやすく、しかも食事や休憩のとりやすい理想的なコースである。

一方、選手にとっては距離が延びた分、コースのタフさも増した。地形的には前半が急斜面、中盤から下が中・緩斜面という比較的はっきりしたコースだが、下半分はけっこう頻繁に斜度が変化するため、見た目以上に難度の高いコースである。新たに延ばされたゴール前はほとんど斜度のない緩斜面なので、上からのスピードがないと好タイムは記録できない。後半部分でミスを犯した選手には上位進出のチャンスはほとんど消える。全体的には緩斜面を得意とする選手に有利なコースといえるだろう。

しかし、このレースでもっとも注目されるのは間違いなくフェリックス・ノイロイターだ。地元ガルミッシュ・パルテンキルヘン出身の24歳。現在ドイツの男子でただひとり第1シードにランクされる若きエースである。父親はスラローム・スペシャリストとして70年代に一世を風靡したクリスチャン・ノイロイター、母親はインスブルック五輪の2冠王ロジ・ミッターマイヤー。この血統の良さと、明るい性格、端正なルックスでドイツでは圧倒的な人気を誇っている。昨シーズンはこのホームコースで3位に入賞し、初の表彰台。当然のように今回はワールドカップ初優勝を期待されるレースとなる。もっとも、今季のノイロイターの滑りは安定しない。調子の波をつかみそうにはなるのだが、大事なところでつまらないミスを犯し成績につながらないのだ。第4戦アデルボーデンで3位となったのが唯一の上位入賞。その後は3レース続けてノーポイントに終わっており、復調の兆しのないまま地元でのレースを迎えることになった。おそらく大変なプレッシャーがかかるだろうが、果たしてその期待と注目に応えられるかどうか、真価が問われるレースとなる。

日本のファンにとっては、湯浅直樹の滑りに期待したい。シュラドミングでは42番スタートから1本目9位の快走を見せ、2本目前半のミスにもかかわらず合計で14位。今季の日本選手としては最高位を記録した。2本目で順位を落としたとはいえ、比較的苦手としていた緩斜面で目の覚めるような滑りを見せたことは、大きなきっかけとなるに違いない。2本目後半のスプリットタイムは6位。それだけに前半のミスが惜しまれるわけだが、その悔しさをガルミッシュ・パルテンキルヘンの難コースにぶつけてほしい。

【写真1】スタート地点からゴールと街を遠望する。昨シーズンはコース以外にはほとんど雪がなかった。マイクを持ってコース説明をしてるのは、日本でも人気のあった“スーパー・マリオ”、マリオ・ライターだ

【写真2】スラロームコースの横にはジャンプ台がある。何とも不思議な構造のシャンツェは、伝統のジャンプ週間の舞台となる

【写真3】この街で生まれ育ったフェリックス・ノイロイター。もういつ優勝してもおかしくない実力者だが今季はなかなか波に乗れない。観衆の大声援は彼の力になるのか、それとも重圧になってしまうのか

【写真4】昨シーズンの優勝者はラインフリート・ヘルブスト(オーストリア)。現在も続く彼の快進撃は、ここから始まった

【写真5】シュラドミングのナイトレースでは目の覚めるような滑りを見せた湯浅直樹。後半の中・緩斜面を克服すれば上位入賞が充分に望めるだろう

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
[email protected] ≫ReplaySkiRacing

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