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シュラドミングは、ワールドカップでもっとも多くの観客数を誇るスラロームである。競技開始は火曜日の午後6時。平日の夜にもかかわらず、約5万人のファンが会場を埋め尽くす。スラローマーならば誰もが
「一度はここのスラロームで勝ってみたい」
という特別なレースなのだ。
1982年に世界選手権を開催した実績を持つシュラドミングだが、ワールドカップのレギュラーとなったのは1997年からと比較的新しい。しかしその評価はあっという間に定着。今では、シーズンのハイライトとして大きな注目を集めるレースとなった。
コースはほとんどが急斜面。スタート直後こそ中緩斜面だが、その距離は短く、後はゴールまで長い急斜面が続く。ウェンゲンやキッツビューエルのようなクラシックコースと違い、ねじれやうねりはほとんどない。ほぼ平滑な一枚バーンの急斜面が延々と続くのだ。比較的標高が低いため、最近は極端なアイスバーンとなることが少ないが、ひとたび氷結すると、技術的難度はさらに高くなる。選手にとってはもちろん、観客にとってもスリリングなスラロームが堪能できるコースといえる。もうひとつの特徴は、コースの約3分2をゴールから見通せることだろう。深い闇のなか、照明によって浮かび上がったスラロームコースは幻想的に美しい。選手たちの華麗なパフォーマンスが、会場の雰囲気をさらに盛り上げ、あたりには不思議な一体感が漂う。厳しい冬の一夜、わずか数時間のスペクタクルショーが繰り広げられるのだ。
日本選手は、このコースを得意としている。
1990年には岡部哲也が3位で表彰台に登り、佐々木明も2006年に2位となっている。この年は皆川賢太郎も6位で入賞しており、表彰式にふたりの日本選手が登場するという記録的な快挙を達成した。
【写真1】昨シーズンの勝者、マリオ・マット。今季はやや不調気味だが、世界選手権を前に得意のコースで調子を上げておきたいところだ。
【写真2】お祭り好きの佐々木明もシュラドミングを得意とする選手。2006年の2位を筆頭に合計3回の10位内入賞を果たしている。写真は昨シーズンの表彰式。
【写真3】昨シーズンのトップ3。シュラドミングの表彰台に上がることは、スラローマーんとって最高の栄誉だ。左からマンフレッド・メルク、マリオ・マット、ジャン・バティスタ・グランジェ。
【写真4】長い急斜面を持つシュラドミングのスラロームコース。全体の3分の2をゴールから見渡せる。
【写真5】2本目の終盤は、興奮も最高潮。観客の焚く発煙筒が夜空を赤く染める。
田草川 嘉雄
白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
≫[email protected] ≫ReplaySkiRacing
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