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スキー コラム 2008年12月26日

【アルペンスキーW杯転戦記】第3戦(ザグレブ)に向けての期待と不安

アルペンスキー・ワールドカップ(白いサーカス)転戦記 by 田草川 嘉雄
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2009年が明けて、最初に行なわれる男子ワールドカップレースは、男子スラローム第3戦。1月6日午後3時15分に1本目がスタート(日本時間同日午後11時15分)する。

実際にレース会場となるのは、ザグレブ近郊のスキー場Sljeme(スリエーメ)で、この街の人たちにとってのほとんど唯一のスキー場だ。ザグレブで生まれ育ったイヴィッツァ・コスタリッチも、少年時代には妹ヤニッツァとともに、ここで厳しい練習に励んだという。ウェブサイトによれば、標高差は300m最長滑走距離1400mとあるが、実際にはもっとコンパクトな印象。スラロームコースがやっととれるくらいの小さなスケールだ。標高が低くほぼ独立した山なので、地形的に豊富な積雪は望めず人工雪が中心。日本で言えば八ヶ岳周辺のスキー場をイメージすると、かなり近いだろう。ここでワールドカップが行なわれるようになったのは、ごく最近のことだ。2005年から女子スラロームの舞台となり、男子は昨シーズンが初開催。今季も男女のレースが行なわれる。

昨シーズンの男子スラロームは、いろいろな意味で素晴らしいレースだった。選手や関係者の誰に聞いても「ザグレブのスラロームは素晴らしかった」という答えが返ってくる。まずコース状況が最高だった。下地からしっかり凍ったアイスバーンが、当日の厳しい冷え込みでよりいっそう硬くしまり、レースが進んでもほとんど荒れることがなかった。したがって、タイム差が接近。わずかなミスで大きく順位が入れかわるスリリングな展開となり、遅いスタート順からも次々に上位に飛び込んでくるので、最後までレースの興味が削がれなかったのだ。

しかも、佐々木明が1本目5位、湯浅直樹が同じく9位につけるなど、日本チームの活躍がめざましかったことも、このレースを面白いものにした大きな要因だろう。残念ながら2本目に順位を落とし、佐々木が7位、湯浅は15位という結果になったが、硬いアイスバーンに激しいアタックをかけたふたりの健闘が光るレースであった。

今シーズンも、昨年同様のスリリングなレースが期待したいところだが、心配なのは果たしてパーフェクトなコースが用意されるかという点だ。12月25日の時点で積雪は17センチしかなく、コースはいずれも滑走不可となっている。アルプスにはたっぷりと雪のある今シーズンだが、そのわりにはこのところ暖かい日が続いたため、ここザグレブではまだ人工降雪機を充分には動かせていないようだ。大会までの2週間の間に、きちんと冷え込まないとコースコンディションに不安が残りそうだ。

レースの興味は、もちろん地元のエース、イヴィッツァ・コスタリッチに集まる。シーズン初めは、ややもたついたものの、次第に調子をあげ、アルタバディアのジャイアント・スラロームで2位、翌日のスラロームでは優勝と絶好調。最高の状態でホームゲームに臨むわけだ。

「子どもの頃スリエーメで練習しながら、いつかここでワールドカップが開かれる日が来てほしいと強く願っていた」と語るコスタリッチ。昨シーズンは、マリオ・マットにわずかに及ばず2位に甘んじているだけに、今年こそという思いは強いだろう。

【写真1】昨シーズンのザグレブSLの上位3人。左から2位イヴィッツァ・コスタリッチ(クロアチア)、優勝マリオ・マット(オーストリア)、3位ラインフリート・ヘルブスト(オーストリア)

【写真2】佐々木明は1本目トップと0秒38差の5位につけ、表彰台のチャンスだった。2本目の後半、小さなミスを犯し合計タイムでは7位。

【写真3】コースサイドには約2万人の大観衆が集まった。クロアチアの人たちにとって、イヴィッツァとヤニッツァのコスタリッチ兄妹は国民的な英雄だ。

【写真4】アルタバディアのGS&SLで2位と優勝。イヴィッツァ・コスタリッチは急激に調子を上げて地元でのレースに臨む。

(写真はいずれも昨シーズンのレースから)

田草川嘉雄

田草川 嘉雄

白いサーカスと呼ばれるアルペンスキー・ワールドカップを25年以上に渡って取材するライター&カメラマン。夢は日本選手が優勝するシーンをこの目で見届けること。
≫Twitter@ReplaySkiRacing ≫ReplaySkiRacing

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