NHK杯男子は、羽生選手が300点を超えるスコアで、
２位以下を引き離して優勝しました。
おめでとうございます。

大会前の僕の予想では、
羽生選手とボーヤン・ジン選手の優勝争いになるのでは？と思っていましたが、
羽生選手の圧勝というか完勝というか、とにかくすごい滑りでした。

まずSPでボーヤン・ジン選手が95点台という高い得点を出してきた時点で、
並の選手ならビビったりするのですが、
そのスコアをわかった上で106.33という高いスコアを出してきました。
羽生選手は、相手が強ければ強いほど、
さらに次元の違う強さを発揮できるのかもしれません。
今回のNHK杯の内容だったら、誰とやっても負けることはありません。
ただ、この内容を毎回出すというのは大変なことです。
それだけに次のGPファイナルでどう仕上げていくのか注目ですね。
もっとも彼なら何かまたすごいことをやってくれそうな気がします。

2位のボーヤン・ジン選手は、内容が悪かったわけではありません。
SP、フリーで４回転はルッツを含め合計４発しっかりキメていますし、
公式練習で初めて４回転ルッツを生で見ましたが、完璧でした。

すごい！

まだ10代という若さもありますし、
今後のGPファイナルや世界選手権、
さらに2018年までどう伸びていくのか楽しみな選手です。

3位に入った無良選手。予定していた4回転はすべて決めてきました。
ただ、後半に３回転ジャンプのミスがありました。
そこの修正はもちろんですが、ワンランク上げていくためには
もう１種類４回転が必要になってくると思います。

現時点で、１種類の4回転で対等に戦える選手は、
コンポーネンツスコアで得点を取れるパトリック・チャン選手、
デニス・テン選手ぐらいではないでしょうか。
それもパーフェクトに滑る必要があるでしょう。

５位に入った田中刑事選手は、
GPシリーズのチャンスをしっかりとものにしました。
４回転を２日間連続で決めて、この実績は今後につながったと思います。
彼の滑りを見る目も大きく変わるだけでなく、
本人にとっても大きな自信となるはずです。

それにしても今回のNHK杯で何発の４回転が出たのでしょうか？　
みんなが４回転を跳んで成功させる、とてつもなくレベルの高い試合で、
GPシリーズでも過去最高の試合だったのではないでしょうか。
あれだけみんなが跳んでしまうと、その価値が下がって、４回転は跳んで当たり前、
実は簡単だと思われる方がいるかもしれませんが、
ファンのみなさんに言っておきたいのは、4回転ジャンプって本当は難しいんです。
それだけ選手たちはすごいことをやっているんです。
次のGPファイナルは、その中のトップ６人が集まるので、
さらにハイレベルな闘いが見られそうです。

↑12年以上前のグネグネ