宮原は、シニアのファイナルは初めての出場で２位になり、
表彰台に乗ることができました。
演技内容にはとても満足しています。
目標だった最低でも表彰台はクリアしてくれたのでホッとしています。
また、先シーズンの世界選手権のメダルがたまたまではないと証明できたと思います。
今シーズンもスケートアメリカ、NHK杯、GPファイナルと続けて表彰台に乗れたことで、
少しずつ彼女の実力が認めてもらえているのかなと感じています。

宮原の特徴は安定感と言われているようですが、
そこまでにやるべきことをやって自信を持って試合には臨んでいます。
だからといって毎回必ずしもうまくいくとは限りません。
プレッシャーもありますし、いつもギリギリの状態の中で、
やりきってくれたことにホッとするというのが僕の正直な気持ちです。
あれだけのメンバーの中で、他の選手と同じことをしていたらメダリストにはなれません。
その中で宮原の良さは、キレとバランス、辛抱強さです。
もう１つはジャンプに対して、少しずつ自信が付いてきているので、
スピードも上がり、みんなが言う安定感につながっているのかなと思っています。
ジュニア時代はロシアの選手にまったく相手にされませんでしたが、
今は間に割って入る事ができるようになってきました。
あと一歩がすごく大変なのはよくわかっていますし、上手くいかない時もあります。
それでも彼女の練習を見ていると近い将来やってくれるのではと思ってしまいます。
少しでもその役に立てるように僕も成長しなければいけません。

ジュニアGPファイナルには、ウチから本田真凜と白岩優奈の２人が出場しました。
三原舞依選手を入れて、日本選手が３人、ロシア選手３人２カ国の戦いとなりました。
ロシアの１位２位３位と表彰台を独占されるのだけは阻止したい！
僕自身がそう思っていたのですが、本田真凜が表彰台に上ることができ、
それもホッとしました。真凜は４位になったフェディチキナ選手と比べると、
ジャンプの数合わせでは負けていましたが、コンポーネンツスコアにすくわれました。
このメダルをよしとしないで、次はその点をしっかりとやっていく必要があると感じました。
もともと能力が高い選手なので、ジャンプを安定させれば、
ロシアの選手たちと対等に戦って１位、２位にもなれるはずです。
本人がもっと欲を持って、普段の練習からしっかりと準備をしていくことが必要だと思っています。

白岩優奈はコンビネーションジャンプの失敗がありましたが、その他はしっかりと滑ってくれました。
これも普段からの心掛けの成果だと思います。
ただ、１つしかジャンプを失敗していないのに５位という順位を考えると、
真凜とは反対にジャンプは負けていないけれど、コンポーネンツの部分を強化していく必要を感じました。
短所を改善しなければ長所もいきない時代です。

いろいろ書きましたが、２人ともジュニア１年めでファイナルまで残って、せいいっぱい滑ってくれました。これが「いい経験」だったかは今後の取り組み次第だと思います。

３人ともスペイン遠征の疲労があると思いますが、次の全日本までにしっかりと回復して、
さらにいい成績を目指せるよう、僕も含めてやっていきたいと思います。

↑左から、すごく気合い入りすぎて階段から落ちて捻挫した人。すごく頑張った人。
裏ですごく支えた人。すごくホームシック。

↑バンケット前の空き時間もムダにしません。なぜか僕も参加させられました。
いや〜難しい。

※選手には写真掲載の許可を得ています。