全日本が終わりました。
羽生選手は、体調が悪いにもかかわらず、
力を見せつけた結果になりました。
体調がどのくらいなのかとても気になりますが、
次の試合までには回復して、素晴らしい滑りを見せて欲しいと思っています。

今回の大会で、予想していたとはいえ、それを超える滑りを見せてくれたのが宇野選手です。
表彰台に行く可能性があるとは感じていましたが、
正直今回の滑りはすごすぎました。
トリプルアクセル、4回転ともに決めてきましたが、
今年に入ってからできるようになったジャンプでここまでのレベルに持っていけるというのは、
なかなかできないことです。
練習で跳べていても試合ではなかなか決められない場合が多いのですが、
彼は今までのそういったタイプとは違うと感じさせました。
男子選手は、ジャンプが先行することが多いのですが、
宇野選手の場合、先に滑りの評価が高く、ジャンプがそこに加わってきた今までとは逆パターンです。
今回の滑りでも、ジャンプがすべてベストのタイミングで跳んでいたかというと、
中には踏み切りがベストではないものもあり、それでも耐えていました。
その降り慣れた感じから、短期間でも、すごい練習量だったことがわかります。
今シーズンのGPシリーズ優勝者3人を抑えての2位。
それも17歳でやってしまうのは、とんでもない快挙です。

3位に入った小塚選手は、シーズン前半のGPシリーズを見る限り、
ここまで戻してくるとは予想できませんでした。
ここ1,2年、力を出せない時期が続きましたが、全日本では連続で表彰台に乗っています。
不完全なジャンプもいくつかありましたが、
彼の技術を持ってしっかりと滑りきれれば、十分世界のトップで戦えるはずです。

町田選手の引退に関しては、今後のことも決めた上での結論で、
彼らしい発表だったと思います。
今はケガなどのケアの方法も進化したり、
経済面でもアイスショーなども増えたおかげで、
選手寿命が伸びているだけに、引退は早いかなと思うこともあります。
町田選手の場合は、限界を感じてというよりも、
他にやりたいことがあるという新しいスタートのために引退です。
まずは現役生活、お疲れ様。
そして、また新しい分野に行っても、
彼らしい表現力で多くの人を楽しませてくれることを期待しています。

無良選手は、町田選手の引退によって、
4大陸・世界選手権のチャンスをつかみました。
先シーズンも織田選手の引退で、4大陸のチャンスを得て優勝しています。
そのチャンスをつかめるポジションにいること自体、彼の実力の証明です。
ここ一番で、あと一歩という試合が続いていますが、
今回の4大陸では連覇の可能性がありますし、
世界選手権でも前に出場した時よりもっと上の成績に行けるはずです。