ちょっと遅くなりましたが、
NHK杯で村上大介選手がGPシリーズ初優勝を飾りました。
初の表彰台で、しかも優勝。本当におめでとうございます。
公式練習を見ていて、ジャンプの踏切もよく、
着地のタイミング、体のキレなどすごく調子がいいように感じたので、
もしかしたらと思っていたのですが、
正直、あのメンバーの中で優勝までいけるとは思っていませんでした。
というのも、公式練習がよくても、本番のプレッシャーで崩れることは、
どんな選手でもあることです。
このNHK杯は、GPファイナルを目指す選手たちが
全体的に固かったように思います。
村上選手はGPファイナル出場を巡るプレッシャーこそなかったけれど、
初めて表彰台を狙える位置にいて、当然大きなプレッシャーがあったと思います。
それをしっかりと乗り越えての優勝でした。
SP、フリーともに冷静に滑り切ったことが大きかったですね。
今回はコンビネーションの枠を1つ使っていなかったので、
技術点ももっと得点をあげる事ができます。
GPシリーズはNHK杯だけの参戦でしたが、
今回の滑りを見る限り、全日本でも十分優勝を狙える滑りだったと思います。
今年の全日本は、羽生選手、町田選手、無良選手、小塚選手、
そして宇野選手が入ってくるかなと思っていましたが、
村上選手も加わって、また昨年とは違った全日本が見られそうです。

NHK杯の無良選手は、GPシリーズ２連続優勝と
GPファイナル進出を狙うという２つのプレッシャーの中で、
最初の４回転で失敗して、トリプルアクセルも抜けてしまい、
崩れそうになるかと思いましたが、よく耐えた滑りだったと思います。
以前はそこで後半まで崩れてしまったこともありましたが、
技術的にも精神的にも底力が付いて、踏みとどまることができました。
ベストではありませんが、まずGPファイナルに進出するという、
１つの目標は達成できたと思います。

羽生選手は、中国杯での試合が無駄にならなかったと本人が言っていた通り、
結果的にGPファイナル出場につながりました。
今シーズン、２回のGPシリーズ出場の羽生選手は、
４回転を１つも跳んでいませんし、
実力の半分も出せていません。
シーズン序盤からケガの影響もあったと思いますが、
それでもGPファイナルに出場できるということは、
やはり彼は何かを持っている選手だと感じます。
昨年もGPシリーズは2位、2位で、
GPファイナルでは優勝していますから、
また何かをやってくれるのではないかと期待してしまいます。

最後に、宮原について。
宮原は、今シーズンのGPシリーズに2戦出場して
2戦とも表彰台に乗ることができました。
昨シーズン、初めて出たGPシリーズではメダルに届きませんでしたが、
その時の経験をしっかりと活かして、
少しずつですが、着実に成長をしています。
NHK杯では本人には悔しいミスもいくつかありましたが、
それをしっかりと修正して、全日本ではもっといい滑りを目指します。