田村岳斗 -華麗なる舞-

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このブログについて

【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。
プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。
高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。

フィギュアスケート 14/15シーズン 2014年12月15日

GPファイナルが終わりました

田村岳斗 -華麗なる舞- by 田村 岳斗
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今年のGPファイナルは、羽生選手のための試合のようでした。
シーズン前半、アクシデントもあり、ギリギリの6番目で出場権を得たのですが、
終わってみれば、予定していたすべての4回転を成功させて、
他の選手を引き離しての完勝。やはり彼はなにかを持っていますね。
中国杯のトラブルで怪我をした際、出場すべきかどうか、
いろいろな意見が交わされましたが、
批判も応援もすべて背負い、それをエネルギーに変えながら戦い続け、
優勝という結果を出しました。
羽生選手のすごさはそれだけではありません。
SPでもフリーでもルッツを失敗していますので、まだまだ得点は伸ばすことができる。
羽生選手の完成形は一体どこにあるのかと思うほどです。

昨シーズンから、GPファイナル、オリンピック、世界フィギュア、
そして今回のGPファイナルと、主要な大会で4連勝。
GPファイナルの連覇をした日本人選手が初めてという以前に、
過去に連覇した選手は、プルシェンコ選 手、チャン選手ぐらいしかいないのではないでしょうか。
いろいろなスポーツの話を聞くと、タイトルを獲るよりも、
タイトルを守る方がはるかに難しいと言いますが、
今の羽生選手にとっては、それも簡単にやってしまえるように見えます。

羽生選手が、試合後の織田さんのインタビューの中で、
ショーの合間の練習でつかんでいったという話をしていましたが、
今年の6月、僕も彼のアイスショーに出演させていただく機会がありました。
そのとき、彼のあまりの練習密度に見入ってしまい、自分の練習を忘れてしまうほどでした。
こうした羽生選手の行動の一つ一つが勝利につながっていくと、改めて感じさせてくれました。

町田選手は、もしかしたら、最初の4回転の際、身体にトラブルでもあったのでは?
そんな風に思えるほど、持っている力を出せませんでした。
それでも心折れることなく、最後まで滑り切りました。

無良選手は、今回もフリーで4回転を2回成功させました。
試合で跳ぶタイミングや力の入れ具合など、コツをつかんできたように見えま した。
彼の場合、難しいことはしっかりとできるので、
あとは簡単なことをミスしないようにすれば、順位もスコアも必ず上がっていきます。

それにしてもフィギュアスケー トは本当に何が起るかわからない競技ですね。
GPシリーズで連勝したコフトゥン選手がメダルに絡むことができず、
羽生選手以外は、SPの結果からは予想できない順位だったと思います。

この大会はスペインのバルセロナで行われましたが、会場の雰囲気も印象に残りました。
地元のフェルナンデス選手にも優勝のチャンスもあったのですが、
テレビで見るかぎりすべての選手に温かい応援がされていました。
僕の経験だと、カナダも同じような雰囲気でした。
バルセロのお客さんも見ていて気持ちよかったですね。

もう1つ、羽生選手と並ぶ快挙がありました。
GPファイナルJr.男子で、宇野 選手が優勝しました。
4回転、アクセルとも素晴らしい滑りでした。

羽生選手、宇野選手本当におめでとうございます。

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