全日本が終わりました。
これまでの全日本の大会の中で最大の会場。
そして、満員のお客さんの中で滑ることは、
スケーターにとって、とても嬉しいことです。
その分、プレッシャーも大きいと思うのですが、
今回、濱田先生と僕が教えている選手７人が
全員フリーまで進むことができて、とても誇らしく思っています。
７人の選手の中には、2日間を通して
うまく滑ることができなかった選手もいましたが、
それでもみんな一生懸命戦ってくれました。
改めて、挑戦していく大切さ、
そこにスポーツの魅力があると感じました。

男子の山田耕新は、フリーで今まで見せたことがない
素晴らしい滑りを見せてくれました。
トリプルアクセルもしっかり決めて、正直びっくりしました。
彼にとっては最後のシーズンということもあり、
次の組で控えていた本田太一も山田耕新の素晴らしい演技を見て感動したようで
ちょっとウルウルした感じになっていました。
太一が滑る前に、「お前は自分に集中しろ！」とフリーに送り出しましたが、
少しミスが出てしまいました。
それでもあの会場でフリーまで滑ったことは、
とてもいい経験になったと思います。

女子は、宮原知子、木原万莉子、村元哉中、
細田采花、安原綾菜の５人がフリーまで進みました。
木原は2年間の長いブランクがありましたが、
今回の全日本デビューで8位。新人賞にも選ばれました。
まだ試合の経験が足りない分、本番での度胸に不安がありましたが、
今回の大会で自信をつけていくことでしょう。
もともと美的センスがある選手で、
体をどう動かしたら美しく見えるのか、
それを表現でき、動作のバランスがとてもいい選手です。
今は、精神的なプレッシャーを和らげるために、
高難度のコンビネーションを試合では入れていませんが、
練習ではしっかり跳べていますので、これから楽しみな選手です。

村元はこの大会前までなかなか調子が上がらず、
どん底と言っていい状態で大会に入りました。
そんな状態でもしっかりフリーまで残って滑りきってくれました。
細田は２日間、大きな失敗もなくベストの出来といっていい滑りでした。
フリーでは初めて100点を超えたのもよかったですね。
この大舞台でいいパフォーマンスを見せることができる度胸がありますね。
安原はギリギリのスコアでフリーに進みました。
もともと上手に滑ることができる選手なのですが、
少し自信がなさそうに滑るところがあります。
もっと自信を持って滑ると、さらにいいパフォーマンスができる選手です。

ちょっと長くなってしまったので、
宮原、そして男子については次回以降にします。