グランプリファイナルの出場選手が決まりました。
今回出場する選手の中で、ロシアのマキシム・コフトゥン選手と、
中国のハン・ヤン選手が初出場します。
コフトゥン選手は、SPで４回転を2本、フリーでは3本入れる
プログラムを予定しています。表現力やその他のエレメンツの部分では、
まだ若さが出てしまう面がありますが、その若さと勢いは、
日本人選手にとっても注意しなければいけません。
ロシア杯でのフリーはあまり内容がよくありませんでしたが、
それでもSP、フリーで4回転は1本ずつ決めていますし、技術はしっかりと持っています。
ただ、ロシアにはケガで出遅れたとはいえプルシェンコ選手がいます。
彼の底力はまだまだ顕在ですし、ガチンスキー選手もいます。
コフトゥン選手の成長によって、ソチオリンピックのロシア代表が
どうなるのか？　そちらもおもしろくなってきました。

そして、中国のハン・ヤン選手。彼の一歩の伸びは、
パトリック・チャン選手に勝るとも劣らないスキルだと思います。
特に注目すべきは、トリプルアクセルを跳ぶ前と、
跳んだ後のスピードがほとんど変わらないところです。
もし僕がジャッジだったら、間違いなくプラス評価を出すでしょう。
彼もまた、今後の男子フィギュアスケートを
おもしろくする存在になりそうです。

グランプリファイナルに出場する日本人選手の中で、
一番調子が良さそうなのは町田選手です。
GPロシアでのフリーは4回転の2本目の方をしっかりと決めてきました。
普通であれば１本目の方が確率が高いと思いますが、
２本目を決めてこられるところに、技術的な成長を感じます。
グランプリファイナル出場は2回目となる町田選手ですが、
前回は思ったような滑りができなかったと思います。
ですが、今回はグランプリシリーズ2回の優勝の実績を持って、
表彰台を狙ってくるでしょう。
もちろん、羽生選手、高橋選手の代わりに出場する織田選手も負けてられません。
高橋選手の代わりとはいえ、今シーズン織田選手のジャンプは好調ですし、
この大舞台で4回転を成功させると、今後の大きなアピールにもなります。
グランプリファイナルは、日本人男子のソチ五輪代表争い、
ソチ五輪本番のメダル争いの前哨戦という点でも注目しています 。