男子は4回転を複数回跳ばなければ勝てない時代に突入しています。
4回転を跳ぶことがすべてということではありませんが、
選手の絶対的な得点源として欠かせないものです。
今シーズンは、4回転＋3回転を跳ぶ選手も増えているように感じます。
チャン選手、町田選手、織田選手は
本当に素晴らしいコンビネーションジャンプを見せてくれますね。
4回転を跳べる選手は、基本的に4回転＋3回転を跳ぶことができます。
コンビネーションジャンプをどこで入れるかは、
プログラムの完成度や体力も踏まえて考えられているものですが、
最初に4回転＋3回転を跳ぶ方が、見ている方としては楽しめるでしょうし、
成功すれば選手自身がノッてきて、
次のジャンプやスピン、ステップにも
精神的に好影響を与えるのではないでしょうか。

コンビネーションの後のジャンプの基礎点は、
前のジャンプが4回転であれ3回転であれ、
スコア的には変わりません。
ですから、後半1.1倍になる時に3回転＋3回転で
跳んだ方が得点が高くなります。
僕自身、コンビネーションジャンプの後のジャンプの基礎点は、
前のジャンプの難易度によって差をつけた方が、
選手として難しいジャンプに挑みやすいのではと感じています。
基礎点が変わらないとはいえ、
4回転のコンビネーションは、
現時点では男子しかできないもので、
最初の4回転ジャンプにも高い質が求められます。

その点では、
過去を見ても伊藤みどりさんなど
ほんの数人しかいない女子のトリプルアクセルは、
男子の4回転よりも価値があると僕は思っています。
ですので、女子のトリプルアクセルの基礎点は、
必ずしも男子と同じ点ではなくてもいいのかもしれません。

とはいえ、フィギュアスケート競技はジャンプだけではありません。
スピン、ステップも僕たちの時代とははるかにレベルが違っています。
改めて、僕はこの時代に選手でなくてよかったなと思っています（笑）。
何種類ものジャンプも成功させて、その上で1点でも多く。
そのために選手たちは身を削る思いで今シーズンも戦っています。