田村岳斗 -華麗なる舞-

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このブログについて

【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。
プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。
高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。

フィギュアスケート 12/13シーズン 2013年03月30日

今シーズンもありがとうございました。

田村岳斗 -華麗なる舞- by 田村 岳斗
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明日は、僕にとって今シーズンを締めくくる
「東日本大震災チャリティー演技会2013 ~復興の街、神戸から~」
が行われます。
その前に、今シーズンもブログにお付き合いいただき、
どうもありがとうございました。
例年になく、多くのみなさんから励ましやご意見、
また、エイドリアンへのお祝いのメッセージもいただき、
重ねてお礼を申し上げます。


まず、来シーズンに向けて、男女ともにソチ五輪枠3枠を獲得したことは、
日本にとって本当に大きいですね。
3枠を勝ち取るために戦った選手たちは本当にお疲れ様でした。
その3枠を巡る闘いはすでに始まっています。
男子は、世界フィギュアに出た3人に加え、
織田選手、小塚選手、町田選手、
その他にも力のある選手が争いに加わってきますから、
今シーズン以上に厳しい戦いが予想されます。
ただ、シーズン前半に世界最強の成績を残した日本男子が、
後半に失速したのは少し気がかりです。
それを踏まえて、候補選手は、
グランプリシリーズ、全日本に照準を合わせつつ、
約1か月程度後に行われるソチ五輪にピークを持っていく必要があります。


世界フィギュアで2位になったデニス・テン選手は、
四大陸から短期間であそこまで仕上げて来ました。
五輪でいい成績を残すためには、
最高のコンディションで大会本番に臨むことが何よりも大切です。
その上で、SP、フリーの2日間を完璧に滑り切れば十分にメダルに届きます。
今シーズンのテン選手はそれを証明してくれました。
テン選手は、4回転はSP、フリーで1回ずつしか跳んでいませんが、
2日間ミスの少ない滑りで、パトリック・チャン選手に
あと一歩のところまで迫りました。


一方で、四大陸で優勝したケビン・レイノルズ選手のように、
5回の4回転を跳び、多少のミスをしても、
1発のジャンプで表現力の差を埋めることもできます。
レイノルズ選手の成長によって、
2種類の四回転を持っている選手はさらに増やしてくるかもしれません。


4回転ジャンプのリスクを抑えて、ミスのない演技を狙うのか?
それとも高得点を狙ってより多くの4回転で勝負に行くのか?
自分の特徴、これまでのシーズンの戦い方や成績によって
五輪で勝つための作戦を考えてくるでしょう。
来シーズン、各選手がどんなプログラムにして、
どんな戦い方をするのか僕も注目しています。


さらに羽生選手の年代に近い選手たちも続々登場しそうです。
一方でプルシェンコ選手やバンクーバー五輪金メダルのライサチェック選手が
本格的に復帰するようなことがあれば、
男子フィギュア史上稀に見る厳しいシーズンになりそうです。


五輪は世界フィギュア以上に何が起こるかわからない大会です。
その戦いをまたみなさんとともに見守っていければ思っています。

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