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【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。
プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。
高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。
いよいよ今回が対談の最終回。今シーズンのこれまでの戦いから、その先にあるソチ五輪はどんな戦いとなるか? 4回転を軸に2人が語る!
Vol.5 2014年まであと2年。どうなるソチ五輪?
J SPORTS 今シーズンはこれから四大陸、世界選手権と続きますが、さらにあと2年後のソチ五輪男子フィギュアスケートはどんな戦いになると予想しますか?
田村 4回転3回跳んでくる人はいる。
本田 フェルナンデス選手はいくでしょう。
田村 最終的にチャンピオンになるのは、4回転をショートでもフリーでも例え1回ずつでもしっかり跳んでいるというのが最低ラインじゃないかな。フリーで2発跳んでもショートで4回転がなければ最終グループにはいないと思うので、そうなると金メダルは厳しい。
本田 ショートで4回転を入れて90点超えてこないときついかもしれませんね。バンクーバー五輪で4回転なしで90点超えてきているわけだから、4回転入れて95~96点ぐらい。
田村 バンクーバー五輪の時はショートのエレメンツは8つだっけ?
本田 そうです。今は7つなので、4回転入れて90点を超えるスコアですね。ショート1発、フリー1発が最低ラインで、フリーは2発になってくるかもしれませんね。もちろん他のところも重要ですけど。
田村 4回転は同じ2発なら、ショートでゼロ、フリー2発よりは、両方で1発ずつの方がいいと思う。それにしても地元開催のプルシェンコは気合い入ってるだろうね。
本田 そうですね。あとはアメリカの若手がどうでるかですね。この間にジュニアがどう成長するのかですが、今、アメリカにはジョシュア・ハリス選手という選手がいて、コンポーネンツはすごくしっかりしているけれど、まだジャンプが弱いかなという感じです。中国はハイ・ナン選手がいて、4回転+3回転跳びます。
田村 中国も4回転選手が戻ってきたね。
本田 アメリカが盛り上がると、フィギュアスケート界もワーっと盛り上がってきますからね。リピンスキー選手、クワン選手、男子ではエルドリッジ選手が出てきて盛り上がったような感じです。
田村 パッと出てきて、パッと辞めることもあるけど(笑)。
J SPORTS 開催国のロシアはどうでしょう? ロシアのコーチ陣もかなり力が入っているようですが、それぞれコーチとして何か感じることはありますか?
田村 ロシア系のコーチは勝負に徹している。試合の状況によって、作戦を変えてくる。勝ちへの執念を感じる。去年の世界選手権でガチンスキー選手がメダルを獲ったけど、本来ならまだメダルに届くか届かないかの滑りだったかもしれない。それでもしっかり表彰台に上っている。
本田 あれはメダルをミーシン先生がメダルを獲らせることを考えた上での判断だったように思います。
田村 モロゾフ先生も試合の状況を見てそういうところはある。
本田 でも、守りに入って失敗することもあります。
田村 いじりすぎて失敗する場合ね(笑)。
本田 試合展開を見て、4回転を避けようとしたら、逆にジャンプ跳びすぎたり(笑)。それも含めて、細かく全体を見られる先生はまだ少ないのかもしれません。本人の気持もあります。それを抑えたら失敗することもありますから。
田村 本人がやろうとして「止めろ」って言われたら、「えっ?」ってなる(笑)。プルシェンコ選手なんかはそうなんでしょ。
本田 膝の状態がまだわからない中で、跳ぶのはリスクがあるけれど、跳ばないと勝てないと思っている選手は、やっぱり跳びたいんです。膝が悪い状態でもプルシェンコ選手は跳んじゃうから、コーチ云々は関係なくやっぱり別格ですね。
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