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【田村岳斗】
1979年5月28日生まれ。
プロスケーター&コーチとして活躍する男子フィギュアスケーターの第一人者。
高校3年時(1998年)に長野五輪出場。全日本選手権優勝2度の実績を持つ。現在は、関西を拠点に、未来のメダリスト育成に務める。
田村・本田対談第三弾は、まもなく開催される四大陸選手権、そして3月の世界選手権でメダルの期待がかかる日本男子選手について。
Vol.3 シーズン後半戦、日本人選手の調子は?
J SPORTS 2月に四大陸選手権、3月に世界選手権がありますが、日本人選手はどうでしょう?
本田 今シーズンは高橋選手が落ち着いて滑っていますね。
田村 まだ2日間、ショートとフリーを完璧に揃えてはいないけれど、これまでの滑りはまず世界選手権の代表に選ばれるところまでが最初の目標で、ベストのパフォーマンスを世界選手権で出すことが最大の目標だから。
本田 僕は羽生選手にも注目しています。これからどう上位に食い込んでくるか、未知数ですからね。彼には心の強さがあって、演技に出ている。4回転も持っているし、スピンでも加点がもらえる。でも、今年シニアに上がって、コンポーネンツの面でまだ伸びていないかなと思うんですが、これも試合に出て伸びていくものなので。
田村 羽生選手は日本人選手の中では、4回転の確率がいちばん高い。SPでしっかり決めて、順位をとって、それでフリーでも決められれば。フリーとショートの2日間4回転を揃えている選手はフェルナンデス選手の他には...。あ、プルシェンコ選手がいたか(笑)。
本田 羽生選手の惜しいところは、ジャンプを失敗した時に、ちょっとした間が出てしまう。世界のトップの中で戦うと、その間に悔しいというところが見えてしまう。僕は高校の時にアメリカに行って、ロシアの先生に習った時、そこはことごとく言われました。曲が鳴り始めた瞬間から、曲が止まってから2秒間は絶対に力を抜くなと。それで写真を撮られて、「どのポジションでもきれいなポジションでいなさい」と注意されてました。きつかったですね。ジャンプが失敗したら、やっぱり「あーっ...」という気分になりますが、それでも最初から最後までコーチが写真を撮るんです。びっくりするぐらい写真やビデオを撮られて、「ほら、ここで気が抜けてるでしょ。これ写真撮られたらどう思う? この写真欲しいと思う?」 そういう指導を受けていました。羽生選手もそこが惜しいのですが、これは経験を積むことですべてが成長していくと思います。
J SPORTS J SPORTS 小塚選手の今シーズンはどうですか?
本田 グランプリファイナルに出られなくて、全日本まで3週間の間にシーズン前半がうそかと思うぐらい良くなってました。
田村 かえってファイナルに出られなかったことで、修正する時間が取れた感じはある。
本田 今シーズン、衣装であったり、音楽の編集であったりと、別のことで時間が取られて練習時間が思うように取れなかったと思うんです。その分、練習ができなかったのが、あの3週間で追い込んだ感じが見えました。4回転のリズムが変わったし、ジャンプ自体の安定感が出てきましたね。
田村 全日本では、後半に転んだけれど、その他のエレメンツは2日間ともきっちりやれていた。
J SPORTS 世界選手権に出る選手にとって、四大陸選手権はどんな意味合いがありますか?
本田 四大陸選手権に出るのと出ないのでは全然違います。1回試合で滑ることができるのは大きい。ただ、四大陸選手権は今年コロラドなので標高が高い。選手はそれで苦労するかもしれません。
田村 僕はそんなにコロラド影響なかったけど......。
本田 ほんとですか?
田村 普段からどこでやっても苦しかったから(笑)、標高が気にならなかったのかも(笑)。
次回「調子を上げてきた日本女子。金メダルの決め手は?」に続きます!
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