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「ピアニストの身体運動」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部アスリートと音楽家の共通点を対話の中で見出していく
今回お迎えしたのは、第18回ショパン国際ピアノコンクールで51年振りに第2位となった音楽家の反田恭平さんです。みずからオーケストラの株式会社Japan National Orchestraを創設し、ピアニストとしてのキャリアから、指揮者や経営者など活動の幅を広げ、今最も注目されている音楽家です。
前回のお話し
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「音楽に惹かれた理由」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
反田(以下S):大前提として、椅子の高さが大切です。あまりにも高いと、打鍵が弱くなります。上から覆い被さるように打鍵する方法もありますが、理想は脚が90度になりすぎず、腕も鍵盤のところに手を持ってきて無理のない姿勢がいいです。足裏、膝、腰、お腹、首、このうちの3点がしっかり座っていればいい音が出ると言われています。例えば演奏途中に身体が揺れてブレたりしますが、先ほどの要素の3点が揃っていればいいと言われています。おそらくバレエとかでお腹に力を入れて腰から曲げでお辞儀するような姿勢で我々は弾いているんだと思います。
特にアジア人の場合は肩が内巻きなので前のめりになりやすい。ヨーロッパの方は外に開いているので、弾いている時に上を向いたりする傾向があります。そのため、日本人があまりに前傾になりすぎると音楽も内向きになってしまう傾向にあるので、ところどころでオープンマインドで演奏することが大事になります。これは視覚的にもそうです。もしピアニストが極端に前傾で弾いていたらお客さんも内向的に感じると思いますが、上を向くだけで明るく聞こえたりもします。これは錯覚なんですよね。そういったところもコントロールします。
ピアノは理不尽です。鍵盤は横に伸びていて、人間の身体の構造上、腕は円を描くように広がっていきます。ですので、鍵盤は腕の広がる軌道と同じく、身体の周りに円を描くように配置されるべきです。ですが、それが横と縦の運動だけになります。例えば、ドレミファソラシドを弾いたときに、親指を移動させる際に肩が硬いままだと弾けないことはないけど「方言訛りの東京弁」みたいな感じになる。それを楽にさせてあげるためには、やっぱり肘を使って優しく使ってあげると滑らかに弾けたりする。こういうことから身体の使い方とか、パーツによって自分の関節の柔らかさや筋肉のつき方が大事になってきます。
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