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「アスリートと音楽家の共通点」| 町田樹のスポーツアカデミア 【特別編】 ~アーティストとアスリートの身体・精神論~ 音楽家 反田恭平
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部町田樹と音楽家の反田恭平さん
今回お迎えしたのは、第18回ショパン国際ピアノコンクールで51年振りに第2位となった音楽家の反田恭平さんです。みずからオーケストラの株式会社Japan National Orchestraを創設し、ピアニストとしてのキャリアから、指揮者や経営者など活動の幅を広げ、今最も注目されている音楽家です。
町田(以下M):本日はよろしくお願いします。そして、ショパン国際ピアノコンクールでの快挙、誠におめでとうございます。1970年に内田光子さんが2位を受賞されて以来、約半世紀振りの日本人最高順位ということで。
反田(以下S):感慨深いのが、そのときの第3位というのが、僕の先生なんです。エントリー番号が64番という数字だったんですけど、先生も「半世紀前に僕も64番で3位になったんだよ」と仰っていて、同じ番号だったので何かあるのかなと冗談で言っていたらこういう結果になったので嬉しかったですね。
M:予選から本戦に至るまで長丁場でしたが、Chopin InstituteがYoutubeでLIVE中継してくれていて、それを通してずっと拝見させていただきました。本当に正確無比な技巧はもちろんのこと、深い情感だったり思想が感じられる演奏で虜になりました。私は元フィギュアスケーターで、今はバレエやダンスをやっています。音楽を身体で表現する仕事をしていますが、踊りは音楽をビジュアライズするものだと思っています。音楽家が紡いだ音楽を、視覚化する。でも、反田さんをはじめ少数の音楽家は、音楽家が舞踊家ではないかと思う瞬間が時々あって、反田さんの演奏ももちろん音を紡いでいますが、特に腕の動きが鍵盤の上を踊っているように感じます。これだけ豊かに指先が踊れていたら、それはこれだけ素敵な音になるよなと思って、ずっと惚れ惚れして拝聴させていただきました。
KYOHEI SORITA - final round (18th Chopin Competition, Warsaw)
S:僕は最初にロシアへ留学していました。その頃は、時間があればよくボリショイ劇場にバレエを見に行っていたましたが、うしろで待機されている人たちの動きの無さというか、舞台の一つのモノというか、ステージに同化しているところを見たときにすごい感激しました。その後パッとみんなで一緒に動いたりする。僕はあれが本当に音符ではないですが、指先に見えて、88鍵で同じことをしようと考えていた時期もありましたね。指でムーンウォークをやるじゃないけど、踊りのように弾けば、軽々しさも出るのではないかと考えていました。
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