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アイスダンスはシニツィナ&カツァラポフ組が金メダル「五輪に向けて大きな力も与えてくれる」 | ISU欧州フィギュアスケート選手権2022 ペア・アイスダンス レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部アイスダンス
ヴィクトリア・シニツィナ&ニキータ・カツァラポフ組
男性が背中の痛みを訴え、大会半ばで立ち去ったロシア選手権から約3週間後。ヴィクトリア・シニツィナ&ニキータ・カツァラポフ組が、自分たちのいるべき場所に舞い戻った。笑顔で、金メダルを掲げ持ち、表彰台の一番上に立った。
「決して簡単な大会ではありませんでした。でも2人で力を合わせて切り抜けました。だからこのメダルは、僕たちにとって大きな意味を持ちます。それに、五輪に向けて、大きな力も与えてくれます」
リズムダンス(RD)は僅差での首位だった。現役世界チャンピオン組の得点が、これまでと比べて、特別に低かったわけではない。ただカツァラポフも指摘している通り、会心の出来と感じたパーシャルステップが、両人ともレベル3止まりだった。むしろ2位アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン組の出来が、ずば抜けて素晴らしかったのだ。パーソナルベストを2点半近くも更新する見事なパフォーマンスで、首位へ1.44点差に迫った。
しかしラフマニノフで演じるフリーダンス(FD)で、シニツィナ&カツァラポフ組は2位以下を突き放した。負傷明けのせいか、いつもに比べてキレ味が弱めのカツァラポフに変わって、シニツィナが力強く演技を引っ張った。「ピアノコンチェルト第2番」では幽玄な美を体現し、締めくくりの「パガニーニの狂詩曲」では陽気な幸せをアリーナいっぱいに振りまいた。
2年前の欧州選手権はRD2位から状況をひっくり返し、ついにガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組の牙城を打ち崩したシニツィナとカツァラポフが、今回は首位の座を守り切った。この逆転優勝を決めたFDから今大会までの10大会17プログラムは、ひとつ残らず金色のスモールメダルを獲得した(FDは2回棄権)。もちろん棄権した大会以外は、すべて優勝を収めてきた。
「ここから減速するなんてありえません。ただ加速していくのみ。すべてが問題なく進むよう願ってます。まだ五輪本番については考えていません。その前に、まだまだやるべきことはたくさんありますからね」
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