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15歳のカミラ・ワリエワが恐ろしいほどにハイレベルな戦いを制す | ロシアフィギュアスケート選手権2022 女子シングル レビュー
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部コーチのエテリ・トゥトベリーゼとしては大会7連覇。しかも2年ぶりの金・銀・銅メダル完全独占となった。実は1年前とは、順番こそ変わったが、3人の顔ぶれは変わっていない。ただ昨季はエフゲニー・プルシェンコの教えを求めて旅立ったアレクサンドラ・トゥルソワが、今季はエテリ組に帰ってきた。
その17歳トゥルソワ本人にとっては、4年連続の表彰台乗り。10月に脚の故障でNHK杯を欠場し、調整の遅れが心配されたが、すべては杞憂に終わった。確かにSPは5位と出遅れた。しかし苦手な3回転アクセルを冒頭に組み込み、4分の1回転不足+転倒しながらもその後をきっちりまとめたのはむしろ流石と言えよう。
FSでは4回転3種類4本という、男子でさえ怖気づくような構成でトゥルソワは攻めた。技術点の基礎点だけで90.81点に達するというのは……もはや全日本選手権で男子シングルを制した羽生結弦の88.4(4回転アクセルと認められた場合は92.9)に比されるほどの超絶難度。冒頭のフリップで小さなエッジ違反、続くトーループで転倒、さらには3回転ジャンプでもミスがあったが、自慢の4回転ルッツのコンビネーションジャンプは2本とも見事に決めた。中でも4Lz+3Tは演技後半1.1倍ルール+出来栄え点で、一気に21.05点もの高得点を記録。あだ名の「ロシアンロケット」に相応しいジャンプ力で、堂々と2位に飛び乗った。
百花繚乱のロシア女子シングルで、4回転を成功することなく、17歳アンナ・シェルバコワは表彰台乗りを成功させた。かと言って4回転を備えていないわけではない。1年前のロシア選手権は良質の4回転ルッツとサルコーを飛び、今季のグランプリ大会2試合でも4回転フリップを決めていた。しかし今年のロシア選手権では、そのフリップで転倒。3回転コンビネーションでも着地に軽いミスがあった。
現役世界チャンピオンは、ジャンプの減点を、その他の要素できっちりとカバーした。スピンやステップでSP・FSともに全てレベル4評価を受けたのは、ワリエワ以外はシェルバコワのみ。トレードマークとも言える端正で上品な滑りで、演技構成点でもワリエワに次ぐ高い得点をマークした。残念ながらロシア選手権4連覇こそ果たせなかったが、五輪シーズンに、表彰台の上から3番目にきっちり乗ったことこそが重要だ。
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