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フィギュア スケート コラム 2021年9月21日

町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 ~女性アスリート問題~ 東京大学医学部付属病院 能瀬さやか先生:医師としてスポーツに携わりたい方へ

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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M:男性として普通に教育を受けてきただけでは知りようもない女性アスリート、或いは女性問題を聞いて、男性も知っておかなければいけないし、男女という性別二元論で済むような時代ではなくなっている昨今、ジェンダーを問わずに自分たち人間の身体のこと、人という生物がどのように生きているのかということを知らなければいけないんだと心から思いました。貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

総括

今回は能瀬さやか先生に女性アスリート問題についてお伺いしました。この問題、或いはこの問題を引き起こすメカニズムや、女性の身体に関する正しい知識というのは、女性アスリートだけではなく、コーチや家族、競技連盟の人など、スポーツ界に関わる全ての人が知らなければいけない知識だと思います。それから、私はこのスポーツアカデミア【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】のコーナーで、色々な専門分野の方々から研究の内容をお伺いしている一方で、どの方にも「スポーツ科学は必要か?」という質問を問いかけてきました。なぜこのような問いかけをしてきたかと言いますと、実は今スポーツ科学の領域、或いは学術会でスポーツ科学は必要なのかという懐疑的な見解が出されるようになってきました。例えば、スポーツ科学と一口に言っても、たくさんの学問領域が集合してできています。例えばスポーツ医科学であったり、スポーツ社会学、スポーツ心理学、スポーツ経済学、スポーツ法学、スポーツ政策学、これ以外にも様々な学問領域が集まってスポーツ科学という一つのスポーツに特化した学問領域ができているわけです。

スポーツ科学は必要か?

スポーツ科学は必要か?

なぜスポーツ科学が必要なのかという懐疑的な見解が出されているかと言うと、例えば、スポーツ社会学は社会学の学問領域でスポーツを研究対象とすればそれで十分なんじゃないか、或いはスポーツ法学というのは、わざわざスポーツに特化した学問領域を作らなくても、法学という元々ある学問領域でスポーツを研究対象にすればそれで事足りるのではないかということでそうした見解がなされています。私はこの見解に明確に反対を示したいと思っております。というのも、スポーツ科学はやはり必要なんです。それを一番説明することができるのが、この女性アスリート問題なんです。田口先生と能瀬先生のお二方に女性アスリート問題についてお話いただきましたが、女性アスリート問題は栄養を取ればそれでいいとか、医学的に女性ホルモンを調整してあげればそれで解決するといった単純な問題ではないんです。女性アスリート問題とは言え、栄養学や医学だけでは解決できません。女性アスリート問題というスポーツ界で解決を求めている課題はやはり色々な学問領域が一致団結して取り組まなければ解決に至らない問題です。スポーツ界にはこのように、単一の学問領域だけではどうしても解決に至らない問題がまだまだ山積みになっています。こうした課題に取り組めるのがスポーツ科学の醍醐味であり、スポーツ科学の真髄なんです。ですから、私はスポーツ科学は必要なんだということをこの番組を通じて社会に発信したいと考えています。

女性アスリート問題はジェンダーを問わず、学問領域を問わず、オープンに議論していかなければならない課題だということを痛感しました。私も一人のスポーツ科学者として、これからも女性アスリート問題について、自分にできることを取り組んでいきたいと思います。みなさんも是非議論していってください。ありがとうございました。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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